第133話 掴めぬ居場所

一向に姿を現さないリコンにハバキリの面々は少し焦りを感じていた。

敵の本拠地がわからないまま半年が過ぎた頃、とある目撃情報が寄せられた。

空に大きな影がかかった後、敵が現れたとの報告があり現地の国が調査を行ったそうだが敵の残骸以外は何も発見できなかったとのことだった。


そこで、ハバキリに調査の依頼が入った。

先行して調査をしていた瑠衣達であったが手がかりは見つけられずにいたが、錬が気になることがあるとのことで単独で調査した所、岩の欠片をみつけそれを拾ってきたのだった。

数日後、調べた結果はこの近辺ではないような成分が含まれている岩の欠片だということだった。

成分を調べ、とある場所の海域に存在している事がわかった。

その海域というのがかつてアトランティスがあったと噂されている所であった。

その海域へ急ぎ向かい調査を開始した。

調査すると、海底の一部が抜け落ちたような場所が存在していることが判明した。

その結果を受け、一同は驚きを隠さずにいた。



瑠衣「まさか…本当にアトランティスが存在していたなんて…」

ウル「都市の残骸が写っていたようだったが、移動する都市とはな…」

エリゼ「おそらくそこをアジトにしていた…。しかし、アトランティスだったとしても使用できる施設があったなんて…」

綺「だけど、その岩が落ちてるって事はおおよその進路はわかるんじゃない?」

錬「一応結果がわかる数日の間その岩の欠片がある所をたどってみた。そして、ある場所を境にその痕跡が消えた…」

琳「その場所は?」



少しの沈黙の後錬はゆっくり口を開く。




錬「南極…」



彼らの移動する本拠地、その痕跡が途切れたのが南極であった。



ウル「アーク…奴らは南極で待ち構えているということか?」

錬「待ち構えているという確証はない、だけど確率は高いと思う」

エリゼ「どうしますか?」



全員瑠衣を見て判断を待つ。



瑠衣「確かに錬さんの言う通り、彼らが南極にいるという確証はありません。ですが、今までなかった目撃情報と対応が後手になっている今、数少ないながらも情報を手に入れました。このまま手をこまねいている時間もありません…」



少し沈黙の後、瑠衣は皆を見渡し言葉を発した。



瑠衣「リコンが言っていた地球をかけた戦いというのも引っかかる所もあります。ですので、まだ敵が目撃されて日が経っていない今このまま南極を目指したいと思っております。皆さんはいかがですか?」



全員が力強く頷き同意する。

後に名付けられた彗星戦争という大きな戦いの中の一つが南極で始まろうとしていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る