第119話 悪魔憑き

琳「くっ!厄介だな!天風の攻撃は!」



並木の攻撃もさばきながら綺への攻撃を防ぐ琳。

徐々にではあるが押されてきていた。



綺「ダメっもう持たない…!」



バキッという音と共に自由になる3人。

そして、倒れていた生徒達もゆっくりと起き上がる。



綺「はぁ…はぁ…」



膝をついた綺に容赦なく攻撃が襲い掛かる。

琳も庇おうとするが、並木や天風の攻撃で阻まれてしまう。



綺「うぁっ…!」



直撃した魔法攻撃で弾き飛ばされる綺。

2人の攻撃を捌いた琳がそれに駆け寄る。



琳「綺!しっかりしろ!」

綺「ごめん…ね…私…足手纏いに…なっちゃって…」

天風「やはり、信条錬がいなければどうって事はないですね…」

琳「ここまでかよ!」



天風の背後にゆらゆらと歩きながら着いてくるSクラスの面々と生徒達。

そして、琳にも攻撃を加える所で後ろの生徒達が再び崩れるように倒れる。



「大丈夫!?2人とも!」

「微力ながら助太刀します!」

「ヒヒーン!」



そこには芳沢夏美と真辺雫、そしてハクが2人の窮地を救うがの如く参上した。



天風「まさか、操られてない人が2人もいるなんてね…驚きだわ!だけど、たかが人数が増えた所で!」

ハク「ヒヒーン!!」



まだ、倒れていないSクラスの皆をけしかけようとした時、激しい嗎が木霊する。



天風「チッ!うるさい馬め!先にやってしまえ!」



命令を下すも、反応がない。

天風は後ろを見ると、驚くことが起きていた。



並木「あれ…?俺ら一体…?」

飯田「あれ?他のクラスの皆んなが倒れてる…」

秋山「えっ!?あの馬!魔物だ!」

加山「紫苑さん?それに、綺ちゃん!どうしたの!?」



いきなりの状況で混乱するSクラスの面々。



天風「チッ…状況が変わったか…」

芳沢「貴方達!天風さんから離れなさい!」



芳沢の剣幕さにびっくりするが、その通り離れる。



天風「こうなれば仕方ない…出来れば使いたくなかったけど…。出てこい魔神よ!私の身体をくれてやる!私の望む奴らを皆殺しにしろ!」




天風が呼びかけると、地面に魔法陣が浮かび何か黒い霧のようなモノが現れる。

すると、その霧は天風に入り込むと徐々に彼女の身体を変貌させていく。

彼女の髪の間からは角のようなものが出てくる。肌も徐々に黒くなり人間だった面影はなくなる。



琳「これは手加減して勝てる相手じゃなさそうだ…」

並木「真壁、手伝うぞ?」

秋山「ぼ、僕も…」

琳「2人とも…足震えてるぞ?」

芳沢「飯田さんは藤川さんの治療を!加山さんと真辺さんは私と他の生徒を非難させます。ごめんなさい、3人とも…私が戻るまで時間を稼いで!」



そう言って避難させ始めた。



天風「さア、あノ世に行ク準備は出来タか?」



凄まじいオーラを放つ天風を見た3人は少し尻込みをしたのだった。


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