第117話 VSクラスメイト
琳「流石、Sクラス…俺たちの級友なだけあるな!」
綺「それに、他の生徒達も抑えるのでいっぱいいっぱい!」
琳たちの目の前には魔法を放とうとしているSクラスの面々…秋山、飯田、並木、加山達。その後ろには天風がいた。
ウル「クソッ!このままじゃ、奴らの思う壺だ!」
琳「仕方ない…。ウル!エリゼさんは外に行った奴らを追ってくれ!」
エリゼ「でも、この数じゃ!」
綺「大丈夫です!この程度乗り切れないと錬くんには追い付けませんし」
ウル「全く…。死ぬなよ?」
ウルはフッと笑うと2人にこの場を任せ外に出て行った奴らの後を追っていく。
琳「さて、皆には申し訳ないが手加減はできないからな!」
綺「ごめん、琳…拘束できるの3人が限界かも…」
床に倒れている生徒たちは綺が放った重力の魔法で拘束されている。
さらに、飯田、加山、秋山の3名を拘束魔法を使い動きを封じていた。
琳「いや、十分だ…。だけど変だ…並木や他の皆は意識がもうろうとして動きが鈍い感じなのに天風だけは普通に避けていたように思えた」
天風「ふふふっ…バレちゃった?そう、皆は操られてるけど私は違う!」
綺「紫苑どうして!」
天風「あなた達には分からないでしょうね?名家に生まれて適正がないからと捨てられた私と母の気持ちなど!」
闇の魔法を放つ天風。琳はそれを弾く。
琳「だから、復讐の為にあいつらに組したってことか?友人たちを売ってまで!」
天風「あなた達との生活…悪くなかったわ!でも、力を得た今なら負けはしない…!ここで全てを片付けたら次は憎き父を!」
天風紫苑はその目に憎しみを込め、対峙する2人をにらみつけた。
高校裏 物置小屋 付近
ハク「ヒヒン!ブルル!」
ハクは学校内の敷地で迷っていた。
瀬那の誘拐の際、こっそり後をついてきたのだ。
結界が張られる前に敷地内に侵入していたのだが、瀬那を見つけられないため場所を教える為錬達の元へ行こうとしたのだが、結界が張られてしまっており閉じ込められていた。
誰か、協力してくれる人を探していたのだが一向に人に出会える様子がなかった。
さまよっているうちに高校裏手の物置小屋付近にいた。
ガタガタ!
物置小屋内部から物音がした。
ハク「ブルル?」
悪い感じがしないと思ったハクはゆっくり小屋に近づきそっと、扉を押す。
扉は簡単に開く。
中には両手両足、さらに猿ぐつわをされた人が2人いた。
「ンー!」
襲われると思ったのだろうか、必死な形相でこちらを見つめていることに気が付く。
ハク「ブルル?」
首を傾げ2人を再び見つめると、先ほどまで騒いでいる感じが落ち着いたような様子だった。
「ンー?」
捕まっている2人のうち1人が、拘束されている手を差し出す。
何か緊張した様子でジッとこちらを見つめていた。
この時ハクはようやく2人が動けないことに気が付き、1人が手を差し出してきた理由が理解できた。
ハクは両手を差し出してきた女性を拘束している物を外す。
両手が自由になった女性はすぐに自分の足の拘束を解くと、猿ぐつわも外す。
そして、隣にいた少女の拘束も解くとハクに礼を言ってくる。
「ありがとうお馬さん!助かったわ!大丈夫?」
「…私、信じられません…先生が…」
「私もよ…。だけど、今は嘆いている暇はないかもしれない!皆を助けないと!」
ハク「ヒヒン!」
「えっ?もしかして、あなたも何か助けたいの?」
ハク「ブルル!」
「先生、この魔物の言ってることわかるんですか?」
「何となくだけだけど…。だったら、一緒に行きましょう!とりあえず体育館へ!雫さん、あなたも辛いと思うけど頑張って!」
雫「…はい!」
そして、2人と1匹は急ぎ体育館へと向かっていく。
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