第116話 恐るべき計画
校内に侵入したウルとエリゼ。
2人は急ぎ、生徒たちがいる体育館へ入っていく。
ガラガラと扉を開け放つも生徒たちはこちらを見ることなく、虚ろな表情のままステージ上を見つめていた。
ウル「これは…どういう事だ!」
エリゼ「やはり…こういう事だったのね…。そして…」
ステージ上には3人の人影…そのうち2つは魔族で1人は2人の知る人物であった。
ウル「レビア!」
エリゼ「お母様…そして、瀬那!」
ステージの魔族2人はウルとエリゼを見て驚きを見せる。
レビア「ほう…。マーモの奴やはりしくじったのか…」
アスモス「若様…エリゼ…言い訳はしませんよ。だが、今は…」
アスモスがすっと片手をあげると、生徒の中から数人ウルとレビアの前に立ちはだかる。
ウル「こいつらは確か…」
アスモス「そう、信条錬が鍛えたという仲間たちだ!生半可な魔族は役にたたないが、こいつらなら若様達も足止めできるはず!」
レビア「信条錬はどうした?まさか寝坊でもしてるのか?」
エリゼ「あなたに答える義務はないわ!魔族の起こしたことは魔族が片付ける!それだけよ!」
レビア「ここの連中は私の指示次第でお前たちに襲い掛かるぞ?」
エリゼ「瀬那!来たわ!一緒に戻りましょう!」
瀬那「・・・・・・・」
クククと笑うレビア。
それを見て不快な感じで眉を一瞬ひそめるアスモス。
アスモス「若様、これは私が望んだ条件ではありませんが…。私達の計画を止められますか?あなた達2人で?」
「2人じゃ!」
「ないぞ!」
そう声が聞こえると同時に生徒達の半数がガクンとその場に崩れ落ちる。
ウル「琳!綺!ニエドはどうするつもりだ!」
エリゼ「それに結界をどうやって1人で!?」
綺「さっき2人のやり方を見て何となく中和できるようになったの!」
琳「それに、ニエドは他の連中に任せても大丈夫だしな!」
ウル「他の連中?」
『俺たちに任せろって事だナ』
『そうそう、こっちは気長にやらせてもらうからそっちは任せるよ』
エリゼ「あなた達…」
レビア「クソッ!やはり計画通りは運ばぬか!仕方がない、動ける連中を連れて外へ出るぞ!」
アスモス「止められるものなら止めてみなさい!あなた達にできるならね…」
そして、魔族2人は外のグランドの方へ向かうと、倒れていない生徒たちは後に続いて外に出ていく。
エリゼ「瀬那っ!」
エリゼはレビアの後に続いて出ていく瀬那に呼びかけるがまるで聞こえていないかのように無視して一緒に行ってしまった。
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