第115話 校内潜入

結界の薄い部分を見つけ、そこで中和を行い無事中に潜入できた3人。

だが、見張りもいないような異様な光景に3人は恐る恐る進んでいく。

ある程度進むと、体育館の方面から何か声が聞こえるような感じがあり、3人は音を立てないよう慎重に進んだ。


体育館の下窓からコッソリと中を覗くと、恐らく全校生徒であろう生徒たちがずらりと並んでいた。

全員横顔なので判別できないが、なぜか誰も喋っている様子もなくただボーっと突っ立っている感じであった。

その姿を見て綺は2人に生徒たちの様子がおかしいことを告げる。



ウル「もしかしたら何か魔法の類をかけられているのかもしれない…」

綺「魔族の人っぽい反応は2…。でも、全校生徒合わせて1000人以上いるのに、そんな人数を操れるんですか?」

エリゼ「いえ…多くても100人前後しか操る事ができないはず…何かからくりがあるのかも…」

ウル「シッ…静かに…何か言ってるようだ…」



体育館の奥、ステージ上から何者かが生徒たちに向けて何か話し始めたのをウルが気づき2人に静かにするよう促す。



「…あ…たえ…ら…お…か…ろ!」



そして、その声が止んだ後に歌のような声がうっすらと聞こえ始める。



エリゼ「!?いけない!2人とも耳をふさいで!私が合図するまでね!」



2人はエリゼの剣幕な表情を見ていう通りにする。



エリゼ(この歌はまさか…。これを指揮しているのがアイツならまだ何かあるかもしれない…。一度瑠衣様にも注意するよう促しておかなければ!)



聞こえてきた歌を聴き何かを察したエリゼ。

そして、綺とウルに結界魔法をかける。

合図を出すと2人は耳をふさぐ手を離す。



エリゼ「綺、貴女は一度ニエドへ戻って瑠衣様に近くに装甲や魔族が伏せてあるかもしれない事を伝えに行って頂戴。若は私と校内へ…」

綺「わかりました。私も一度伝えに行ってから戻りますから無理しないで下さい!」



エリゼはこくりと頷き、ウルと共に校内に入っていく。

それを見届けた綺は一旦ニエドへと戻っていった。

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