第103話 秘剣

錬「いいか?マナブレードでいく!」

ウル「黒鋼、俺は魔力の制御をすればいいんだな?」

黒鋼:あぁ、マナの固着のやり方は前回で感覚はわかった。

飛燕:マナブレードノ発動シーケンスニハイリマス。


前回はマナを固着させたことにより、偶発的に手刀に切れ味と硬度の強化をもたらしたが、それに腕が耐えられなかった。

今回は持っていた刀にマナを固着させ、刀の攻撃範囲と硬度、切れ味を格段に上げるものとしていた。

両魔法装甲の手に持っている刀にオーラのようなものが纏わりつく。

始めは揺らいで安定していない感じであったが、徐々にそれは刀を覆い、一回り大きい刃を形成していた。

何か危険を察知したのかマーモは錬たちへ形成した腕で攻撃を加える。

しかし、その攻撃は錬たちを直撃したと思われたが、腕自体が真っ二つに斬られていたのだ。



マーモ「何っ!これだけの質量の差があってもあの武器は折れないのか!」



マーモは危険だと判断し、余分な重りとなった腕を切り離し新たに形成し後退をする。

だが、その一瞬のスキを錬とウルは見逃さなかった。

新たに形成した腕を追撃とばかりに接近し切り刻む2体の魔法装甲。

負けじと切り離しながらまた新たな腕を形成する。

そして、錬はその鼬ごっこをしている時にふと気が付く。



錬「相手の魔法装甲少し小さくなっている?」

飛燕:ハイ。計測シタ所、先程ヨリモ体積ガ少ナクナッテイルヨウデス。

ウル「という事はこのまま続ければ本体に届くようになるってことか?」

黒鋼:おそらくはな…。だが、まだまだ攻撃をする必要がある。



まだ、余裕を見せている巨体を見つめる。

2体の魔法装甲は再び腕を生やそうとしている敵を切り裂いていく。



錬「さぁ、我慢比べといこうか?」

ウル「どちらが先に根を上げるかだな!」



2人が出す気迫はマーモを恐れさせる。

そのせいか先ほどから攻撃速度が鈍っているようで2人は難なくかわしてカウンターの如く攻撃を当てていく。

そんなことを数十分続けていた時だった。


ガキン!


先ほどまで敵を難なく切り裂いていた飛燕の刀はその装甲に阻まれてしまう。



ウル「錬!」



錬の異常に気が付いたウルは問いかける。

聞こえてきたのは息が絶え絶えの返答だった。



錬「ハァ…ハァ…。すまない…ちょい…限界かもな…」

ウル「下がれ!後は俺が何とかする!」



2人が少し気をそらしてしまっていたのをマーモは見逃さず追撃をする。

見事にその攻撃はヒットし、黒鋼も飛燕も吹き飛ばされる。

2体とも損傷は大きな損傷はないようだが、衝撃が大きかったのか起き上がるのが遅れてしまった。

近くに吹き飛ばされていた錬の飛燕を目掛けマーモは更なる追撃をかける。



マーモ「まず、1体目だ!」



マグネスは大きく後ろに振りかぶった両手を振り下ろしたのだった。

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