第102話 化け物VS化け物

目の前の巨体を見つめる錬とウル。


ウル「やれそうか?」

錬「さっきのフルバーストで魔力残量が残り少ないんだよ…ギリギリ動かせるって程度だからキツイな」

ウル「逃げてもいいんだぞ?」

錬「冗談いうなよ!このまま逃げても追いかけてくるだろうさ…」

ウル「だろうな…。なら、やれるとこまでやるか?」

錬「そうだな!運が良ければ皆んなも合流するだろうしな!」



2人は巨大な魔法装甲に向けて、その一歩を踏み出した。


各国がこの混乱の中、急いで自分の選手たちを収容し船を出す中で3国同盟の全員はモニターで確認できた巨大な魔法装甲に向けて行こうと話していた。

先ほどの混乱の中で他のメンバー達も魔法装甲の簡易的な補給と修理の為艦に戻っていた。

そこへ、瀬那達から連絡が入る。



瀬那『瑠衣様!錬さん達が!』

瑠衣「ええ、こちらもモニターしてます。私達はこれからこの船で現場に向かいます!貴方も巻き込まれる前にこちらに…」

瀬那『いえ!私はこのまま錬さん達を見守ってます!』

詩織「ちょっと!何を言ってるの!危ないから戻って来なさい!」

瀬那『嫌です!私はこのまま出来る限り側で見守りたいんです!』

瑠衣「しかし…『彼女の好きにさせて下さい』」


その会話に割り込んだのは綺であった。


綺『大切な人の役に立ちたい…私もその気持ちわかるから…。それに私も出ます!全力で守りますから、彼女の好きにさせてもらえませんか?』

瑠衣「……わかりました。許可します。瀬那さん、くれぐれも無理はしないようにして下さいね?」

瀬那『はい!ありがとうございます!』

詩織「瀬那…絶対無事に戻ってきなさいよ?それに、信条くんの足を引っ張らないようにね?」

瀬那『わかってます!それと…。綺さん、ありがとうございます!』

綺『お礼は後で!私が行くまで安全な所にいてよね?』


そして、ニエドは戦場になっている所へ向けて発艦する。



マーモ「クソ!奴ら化け物か!このサイズになったマグネスの攻撃が全く当たらんとは!」


巨大になったマグネスは両手をブンブン振り回して攻撃をしているが、相手をしていた2体の魔法装甲には全く当たらずぼやいていた。


ウル「よく言うぜ…こちらも回避がギリギリ間に合ってるからいいものの…」

錬「吸収してデカくなった時に生えた腕もあるからな…回避に専念すれば反撃もあまりできないな!」

ウル「俺も回避しながら攻撃はしてるがダメージには繋がってないようだしな!」

錬「飛燕、魔力チャージ率は?」

飛燕:現在、稼働シナガラデスノデ、20%程シカチャージ出来テオリマセン。


再び大きな攻撃を回避する2人。


ウル「動きながらでもチャージしていたのはわかるが、さっきはギリギリ動ける5%程だったと聞いていた…」

錬「多分、瀬那の歌のおかげだと思う…。彼女の歌が周辺のマナを活性化させた事でチャージできる魔力が増えたんだと思う…。そういえば前にもあったなこんな事…」

黒鋼:変異種のゴーレムを討伐した時か?

錬「そうだな…。そうだ!アレならいけるかもしれない!黒鋼!あの時のマナを固着した時のやつ出来そうか?」

黒鋼:ああ、一応システム上に保存されているから出来なくはないが…。

ウル「何か秘策があるのか?」

錬「ああ!マナブレードだ!」



そして、錬は飛燕にもマナブレードの式を展開するように促す。

いきなり、相対する2体の雰囲気が変わったのをマーモは見逃さなかった。

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