第98話 混乱
錬「クソッ!下手に攻撃できないなんてなっ!」
ウル「しかも、この混乱の中で互いに相手国の代表を相手取ることは…」
背中合わせで互いの相手している魔法装甲を見つめている2人。
会場は煙と人の悲鳴であふれかえっていた。
話は数分前に遡る。
個人戦、団体戦共に同時に試合開始となったのだが、それと同じくして各国の魔導装甲が突如暴れ出したのだ。
試合をしている錬たちにもその被害がいっているのだが、一向に中止になる気配はない。それどころか広域通信でそのまま試合を続行しろとの通達がされる。
錬は襲ってくる魔導装甲を退けていたのだが、オーストラリア代表の魔法装甲も容赦なく錬に攻撃を加えてくるのだ。
錬「やめろ!会場を攻撃している魔導装甲を止めなければ!」
「すまないな…。確かに自国の民も大事ではあるが…今の私達には負けられない理由があるんだ!」
「君が負けてくれるならそれはそれでありがたいんだけどな!」
錬「くっ!この分からず屋め!」
ウル「ちっ!厄介だな!これはもう試合じゃないぞ!」
「悪く思わんでくれ…。これもあいつを守るためでもあるんだ!」
そして、両者ともじりじりと最初の試合会場から追い詰められ背中合わせになるまで近づいていた。
錬「どうやらお相手さん、この状況でも戦いをやめない所をみると訳アリのようだ…」
ウル「そっちもか…。こちらも同じくだな…」
錬「皆は?」
ウル「反応は消えていない…。だが、相手をしている数も数だ…いつまで持つか…。この状況を打破するには…」
錬「今さっき、瑠衣様に連絡した。情報はロアナさんたちが集めてるみたいだ。船は梁さんとラウさんが守ってるらしい」
ウル「何が起きているのか把握できるまで時間を稼ぐしかないのか…」
錬「自信ないのか?」
ウル「バカを言うな…。お前もぬかるなよ?」
錬「わかってるさ!」
2人は互いの魔法装甲をちらりと見ると、正面にいる敵に向かっていった。
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