第95話 団体戦 2回戦 ③

一方その頃、ウル達は敵本陣があると思われる場所へ向かったのだが一向に敵の反応がない。

それどころか、何者かに通信を阻害されているのか、一定の距離が離れると他の仲間とも通信ができない状態になっていた。

先ほどから埃のようなものが宙を舞っているため、視界も少し悪い。



 ウル「しかし、敵が攻勢に転じてこないとは…」



先ほどからくるのは魔導装甲のみ。

ここまで来るのに倒したのはおおよそ琳が狙撃して倒したのを含めると5体、通信が途切れる前にクルールとラナが1体ずつ倒していることから推測すると魔導装甲の残りは8体ほど。

魔法装甲が全く出てきていないことに少し違和感を覚える。

警戒をしながらゆっくりと進んでいく。

そろそろ敵の初期位置に差し掛かる時だった!

轟音と共に足場が崩れる。

そして、ウルの乗る黒鋼は底の見えない奈落の底へ落ちて行った。


時を同じくしてクルールとラナ。

2人もゆっくりではあるが敵の初期位置へと近づいていた。

2人は別のルートで行っており近い位置取りであるウルと交信しながら範囲を狭めていた。

しかし、ある一定の場所まで来るとその通信が出来なくなる。

視界も悪くなる中で慎重に進んでいく2人。

そして、少しの揺れと轟音が響いた後、残っていた魔導装甲が2人を襲う。

2人は少し驚きながらも襲いかかってきた魔導装甲の対応をするのだった。



更に同時刻、3国同盟の初期位置近くにいた2人に地中から現れた魔法装甲の相手をしていた。


琳「やっぱり読みは当たったが!」

綺「皆んな大丈夫かな…?さっきから通信が出来ないから…」

琳「アイツらなら大丈夫だと思うが…。とりあえずコイツら2体倒してからだな!」

綺「うん!」



それから数分後、アフリカ代表の魔法装甲を倒した2人は先行したメンバーを追う為に動こうとしていた。



琳「さて、とりあえず片付いたか。他のメンバーを追いかけるとしてどういうルートを通る?」

綺「ねぇ、琳?さっきから思ってたんだけど…この穴通らないかな?」

琳「敵が通って来た所をか?」

綺「一応アイちゃんから計測してもらったらギリギリ通れるみたいだから…。私のルードを先行させると索敵もできるし、相手もこの通信が出来ない状態が同じならこの穴を通る事で奇襲にも使えるかな?なんて」

琳「確かに使えるかもな!よし、綺はルードを先行させてくれ。ルード、俺、綺の順で穴に突入するぞ!」

綺「うん!アイちゃん行くよ!」

アイ:了解しました。ルードを起動し先行させます。




そして、琳達はアフリカ代表の開けた穴から辿るように敵地へ向かっていく。

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