第94話 団体戦 2回戦 ②

クルール「しかし、今回相手は時間をかけてこちらを攻略するつもりだろうかね?」

ウル「わからん…。だが、琳の狙撃も警戒している辺り全くの無策ではなさそうだ」

琳「どちらにしろ、こちらの攻撃や索敵の範囲外だ。彼方へ攻め入るか?」

ラナ「下手に出過ぎるのも数の上で不利なこちらにとっては危ない賭けだ」

綺「………」

琳「綺?どうかしたのか?」



さっきから綺が喋っていないことを琳は気なり問いかけた。


綺「うん…ちょっと嫌な予感がして…。だけど、上手くいい表せなくて…」

ウル「だが、このままというのもな…」

綺「ここに留まっても、進んでも何か危険な感じがするの…」

琳「昔からコイツの予感よく当たるんだよな…どうする?」

ウル「どう動こうが危険があるのは確かだ、俺たちは奴らよりは戦力は少ない…。だから前衛の俺たち3人は敵陣へ別々のルートで向かう。お前たち後衛の2人は後ろを警戒しながらゆっくり俺たちの跡をついて来てくれ。敵が現れたら臨機応変に対処するんだ」



それからウル達3人は敵陣へ先行する。

途中、魔導装甲が何体か彼らの進行を阻んだが、それを難なく退けどんどん敵陣地中心部へと向かっていく。

後衛の綺と琳はそろそろ動こうとしたが、綺が何か感じ取ったのか琳に動くことを少し待つよう促した。



綺「おかしい…反応が微弱だけど…近くに何かいるみたい…」

琳「近くにいるって…何も周りにはいないぞ?空にもいる様子はないし…ステルスを使用してる訳じゃないだろうし…」

綺「まさか…!!下!?」

琳「おいおい、そんなハズは…。いや、あり得るか…だが、俺らの装備じゃ地面を掘ってそいつらをおびき出すことなんて…」

綺「私の探知でも微弱にしかわからないの。でもあちらもこっちを補足しているとも限らない…おそらく音と振動とかで感知している可能性があるかも…」

琳「それは下手に動けば攻撃されるってことか?」

綺「多分…」

琳「なるほど、さっきから魔導装甲を小出しに突撃させてきている訳がわかったような気がするぞ」

綺「うん、恐らく。地面を先行する部隊が気づかれないようにするための囮」

琳「あとは地面を崩落させることができれば攻撃にも転用できるか…」

綺「おそらく敵はこっちの初期位置の場所は大まかに把握していると思う…」

琳「今下手に動けば特定され集中攻撃を受けるか…。このまま待っていても攻撃される恐れがあるか…」



そして、2人は地面を見ながら少し様子を見ていたのだった。

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