第15話 ダンジョン再び

ダンジョン前に来ていた錬とルナ。


錬「準備はいいな?」

ルナ「もちろん!」


お互いに確認しダンジョンの中に入る。

地元にあったダンジョンに似通ってはいるが中に生息している魔物は違った。

どんどん下層にいくにつれ、魔物の強さも増していく…。

そんな中でも苦戦せず2人はどんどんと現れていく魔物を倒していく。


ルナ「流石だね錬は…」

錬「何が?」

ルナ「自身の魔力がないのにマナの扱いだけでここまで戦えるなんて…私はちょっと恐ろしく感じちゃう…」

錬「そこまでなのか?」

ルナ「本来であれば、自身の魔力を変換して魔法を使用する…。その工程を省いてマナを直接使用するなんてエルフの私たちですら負担が大きすぎて出来る事じゃないの…」

錬「確かにな…ルナを助けるときに使った変換創造魔法使用した時になんか意識飛びそうになったからな…今じゃあんまり問題なくなったけど」



そんな錬の言葉に少し呆れていたルナであったが、1つ疑問に思っていたことを訊ねてみた。


ルナ「そういえば、錬って手合わせの時に他の人が魔法を使う際どんな魔法が来るのか判っている感じがあるけど…」

錬「あー、ルナにはわかっちゃうか…。実はベヒモスと戦った後からなんだけどな、相手がどんな魔法を使用してくるか周りにあるマナの輝きで判るようになったんだよ」

ルナ「嘘っ!それって…魔導眼まどうがんの…」

錬「魔導眼?そういえばウルドラもそんなこと言ってたかな?まぁ、俺としてみればどんな魔法がある程度来るのかが判れば対処しやすいしラッキーだな感覚でいるんだけどね」



軽い感覚で話す錬であったが、ルナはそのもう一つの才能について驚いていた。

魔導眼は魔法の才能があるエルフ族でも発現する人は少なく数人いるかどうか…それに魔導眼を開眼させたとしても魔法を使ってくるぐらいしかわからない事がほとんどで、錬のようにハッキリとマナの色でどんな魔法がくるのか予測できる人は居ないに等しい…。

おそらく、自身の魔力を持たなくなってしまった分マナ自身を直接扱う錬だからこそできることなのかもしれないとルナは思っていた。

少し休憩を挟み、再び奥を目指していく2人…。



錬「ルナ…おそらく、この奥が最後だと思う…」

ルナ「わかるの?」

錬「多分だけど…ウルドラの所と同じ濃度のマナがこの先から出てるみたいだから…」


降りる階段を見つめる2人…ルナもこの先から何かが溢れてくるような感覚は少し感じていた。


ルナ「気を引き締めて行こう!」

錬「おう!」



2人は改めて気を引き締め、階段を降りていく…。

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