第14話 攻略の条件

錬「その代わり自分からも1つお願いが御座います…」



錬が出した条件は3賢者が持っている1つの許可証…特別魔法行使証。

国内では3賢者の他に数人の魔法師しかこの権限が与えられておらず、この証があれば国内だけでなく国外でもある程度自由に活動できる権限があるというもの。

各国が共通でこの証を使用しており、他の国でも持っているものは少ない。持っているだけでパスポートの代わりにもなるというため、国家間の行き来の際にも使用できたりするものだ。

3賢者から自分がダンジョンを攻略したのだということを瑠衣はおそらく聞いているはず…。

各国でもあまり攻略できていないダンジョン…今回攻略すれば国内にあるダンジョンをすべて攻略したことになる。

条件的には多分…釣り合うはず…そう錬は思っていた。


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都内 とある宿

貸し切られた小さな宴会場で6人は食事をとっていた。


琳「そういえば、決まってるのか?」

錬「あぁ、さっきの事か…一応決めてるよ」

紗菜「誰に決めたの?」


少し期待しているような表情で錬の顔を見る紗菜。


錬「今回のダンジョン攻略…ルナを連れて行こうと思う」

ルナ「私が?」

紗菜「そっか…そうだよね…」



錬がルナを指名したことで紗菜はすこし俯き呟く。

そんな様子に気が付いた渉は錬に抗議する。


渉「兄さん!俺や紗菜じゃダメなのかよ?」

錬「…そうだな」

綺「でも、ルーちゃんが来る前から2人は鍛えてもらってたんでしょ?だったら…」

琳「経験の差…」

錬「琳は気が付いたか…」

琳「なんとなくだけどな…ルナはエルフ族で俺たちの倍以上生きている」

錬「それに一時期は呪いのせいで魔法は使えなかったけど呪いを解いてからすぐ2人の実力以上の力を見せている…総合的に考えてのことなんだよ。(まぁ、それだけじゃないんだけどな…)」



綺は納得できていないようであったが、紗菜は「うん、わかった」といって笑顔をみせた。その笑顔の中にある寂しさに気が付いていたのは渉と綺だけであった。

食事を済ませた一行は各部屋に戻り就寝した。

次の日、男子グループは徹の計らいで国内に10機ほどしかないという魔法装甲の見学に行くこととなり、女子グループは徹の妻の案内で都内で買い物をすることになった。

それから3日程して瑠衣より連絡が入り、今回の条件の了解を得たという報告をもらった錬。

ルナと準備をし、今回攻略をするダンジョンがある場所へと送り届けられた。


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