ウルドラ編
Another3 錬金術
魔族が現れてからすぐのことだった。
ウルドラより話があるとのことで錬は一人でダンジョンの中へ来ていた。
錬「大事な話があるから、一人で来いだなんて…」
前日にウルドラの所に行った時、帰り際に「明日、話がある。一人で来い」と言われたのだった。
ぶつぶつ言いながら途中出てきた魔物を狩り、いつもの転送用の魔法陣がある場所へ向かう。
その上に乗るといつものように魔法陣に触れると起動させる。
錬「来たぞーって…あれ?」
いつも鎮座している場所にエルドラの姿がないことに錬は気が付いた。
??「来たか」
うす暗いダンジョンの大広間…そこの奥に人影がいるのが確認できた。
見慣れた特徴があるが…発した声からも知っている人物?ではあるのはわかった。
錬「もしかして…ウルドラか?」
ウルドラ「よくわかったな?」
錬「でも、その姿…エルフか?」
ウルドラ「ああ、この姿は久しぶりだからな…今日はお前に真実を伝えようと思ってこの姿になった。一度この姿になったら今度は二度とこの姿に戻れないが後悔はない…」
そう呟くとウルドラは話始めた。
1000年より前、まだ魔法は人類に浸透しておらず、魔法を使えるのはエルフやドワーフ、魔族だけであった。一部知能が高い魔物も使えたそうだ。
当時ウルドラはエルフ族が住む大陸…リウド大陸という所のエルフの里ヴァーミアに住んでいたという。1000年以上前はハイエルフも結構いたため族長候補になることはなかったが、類まれな魔法の才能がありエルフ族の中でも有名であったという。
リウド大陸にはドワーフ族も集落を作っており、国境を接していることもあって昔から些細な争いが起きていた。
また、人類の船の進歩もあまりなかったこともあり人がリウド大陸に上陸することもほとんどなかったため人との争いなどなかった。最も、エルフもドワーフも国外に出ることなどほとんどない状態であったため人類の事など眼中になかったのもあったらしい。
西暦1000年程になった辺りに、エルフの里を訪れた11人の男がいたという。
代表の男の名はルニアと名乗った。突然の訪問者にエルフ族は驚いたそうだ。
男の話によると、今から数年前、突如魔族という翼の生えた連中に人々は襲われ始めたそうだ。武器を手に反抗したものの、魔族の放つ不思議な力に圧倒され歯が立たない。魔族の攻撃はやむことなくこのままでは人類は滅亡してしまうと危機感を感じた自分を含めた11人で不思議な力を扱う事のできる種族を探してここまで来たという。
11人は助けを求めたものの、エルフ族はあまり争いごとに首を突っ込みたくないと…それに彼らの言っていることは本当かどうかわからないということもありその求めに応じない形になった。
しかし、11人はせめてその不思議な力の使い方を学びたいと切に願った結果…その時の族長は当時しっかりした魔法体系が確立できていたにも関わらず、リスクのある原始の魔法…錬金術を彼らに教えたのだった。
彼らの錬金術の学びの姿勢はすごいもので、ものの1か月程でほとんど形になるまでとなった。
そんな彼らに興味をもったウルドラは、彼らがエルフの里を立つ日一緒についていくことにした。
里の者たちからは反対されたものの、外の世界を見てみたいということもあって制止を振り切り里を捨てる形で飛び出したのだった。
それから程なくして魔族が多種族に対し宣戦布告をし戦争に突入したのだった。
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