日本一多くの英語の試験を受けた男(40回以上)

キョウダイセブン

第1話

日本一多くの英語の試験を受けた男




 私は自分の「名古屋大学」の入試だけではなく、英語講師になってから自分の英語力を証明するため「京都大学」の二次試験を7回受けた。センター試験は10回。「河合」と「駿台」の京大模試は10回。それと並行して「Z会」の京大即応コースを8年間受けて添削方法を盗んだ。その時、Z会から六段認定証を受け取った。


 受験英語に関しては日本一多くの試験を受けて合格したと思う。




 資格試験に関しては、英語検定1級、通訳ガイドの国家試験、ビジネス英検A級、国連英検A級、観光英検1級などに合格した。他にもTOEFLも受けた。これだけ多くの資格試験を受けている英語講師も少ないはずだ。




 また、英語講師として河合塾学園、名古屋外国語専門学校、コンピューター総合学園HAL、名古屋ビジネス専門学校、名門会、駿台プロメディカスなどで講師の採用試験に合格して実際に講師として勤務させてもらった。その度に、採用試験と称する筆記試験、模擬授業、面接を受けて全て合格してきた。




 資格試験は二次、三次と段階を踏むものが多かったので、以上だけでも40以上の試験を受けてきたことになる。私以上に英語試験を受けて合格してきた人はみえますか?




 なぜ、こんなことをしてきたかというと


「他人の評価がないと誰も信用してくれない」


 という事情がある。私が自分で


「私の英語力は誰にも負けません」


 と主張したところで、誰も信用してくれない。




 さて、ここからが本論。


「これらの試験は信用するに足るか?」


 私は、上記のどれも信用していない。実際、受験英語を使ってアメリカで授業をしたら


「ミスタータカギは若いのに、なんでジジイのように話すの?」


 と言われてしまったし、英語検定1級の過去問をやっていたら、ネイティブが近寄ってきて


「日本人のお前がなんでシェークスピアの時代の英語をやらなアカンの?」


 と言われてしまった。




 多くの予備校・塾・専門学校の採用担当の方に会って話をさせてもらった。中には不採用通知が来たこともあったが、そういう塾で求めている講師はリーゼントやら元暴走族の講師だった。また、採用試験の筆記試験はヒドイものだった。




 最近は、


「あんな酷い問題が解けなくても(あんな酷い採用担当官に気に入られなくても)自分の価値は変わらない」


 と開き直っている。アメリカから帰国した時から今まで自分の英語力は変わっていない。しかし、世間の評価は大きく変わった。




 マスコミや有名俳優を使った宣伝などしなくてもプロには気づかれたらしく、SNSの発信だけで通信生に集まってもらえる。「私の京大合格作戦」(エール出版)の2020年版から2022年版まで紹介してもらった。受験産業にいる人より、京大受験生の方が真剣だし講師を広告や知名度だけで判断しない。




 私はそのように真剣に人生と向かい合っている生徒だけを相手に仕事をしていたい。味噌とクソの区別がつかない人と話していても得るものは何もなく、ただ人に絶望したり見下したりしたりするだけ。




 人生に絶望したり人を見下したりしたくないから、そんな人には近づかないようにしている。

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