第19話 一筋ですから
小一時間ほどかけて、すべてを片付け終わった。
保険医が本当になんでもかんでも、一部屋の中につめこんでいたため、分類するのにかなり苦労したが。
総量が、一人分の品物だけだったのがせめてもの救いだ。
「もうすこし年頃の女性として、恥ずかしがってもいい所だと思うけどね? 君はなかなか変わっているね」
その片付けの品物の中には、当然男性のものもあったのだが、そこで恥ずかしがっていては作業がすすまないので、淡々と処理させてもらった。
そういうときめきイベントはノワール様専用!
「では、もうおわったので私はこれでお邪魔させてもらいます」
「ええ、もう少しこの部屋で遊んでくれてもいいんじゃないかな?」
そんな残念そうな顔されても、ダメなものはダメ。
男の人と一つ屋根の下なんて、ノワール様に知られたらどんな顔をされるか。
あらぬ誤解をされて、嫌われたりしたら……。
想像の出来事で、冷や汗をかいていると、保険医が顔を近づけてきた。
「他の子の事を考えているね。いけないなぁ」
しかし私は、掃除のためにもっていた雑巾で相手の顔を押し戻す。
貴方の顔の正しい位置は、もっと遠くの位置!
一応黒幕でも、顔はイケメンの部類に入る男だ。
私がノワール様一筋でなかったら、あぶなかったかもしれない。
「先生よりよほど魅力的な人なので、考えるのは当然です」
「そうかい。その子は幸せものだね」
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