第20話 もくもく煙



 そんなやりとりがあった後、こんどこそお暇しようと思ったのだが。


 なんだかけむたい。


 キッチンがある方から、煙がもくもく天井を伝ってやってきていた。


「この煙、もしかして火事じゃ……」

「いや、火を使う料理なんてしてないし、これまでもしてこなかったから違うと思うよ」


 え、じゃあなんでこんな煙がもくもくしているの?


 そうこうしているうちに、煙の量が増えてくる。


 とにかく考えるのは後だ、原因をなんとかしなければ。


「けほけほっ。いったいなにが」


 きっちんに駆け込むと、冷蔵庫から煙が出ているのが見えた。


 えっなぜに?


 すると、保険医がぽんと手を打つ。


「ああ、忘れていたよ。ちょっと冷蔵庫の音がうるさいから、改造してみたんだ」

「そんな重大な事、忘れないでください。けほけほ」


 煙たすぎて、息が苦しくなってきた。


 慌てて窓を開けて換気。



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