第18話 新たな面、発見



 一部屋の中に無理やりつめこまれた品物を分類しながら、各部屋へ運び込んでいく。


 本とかクッションとかならまだしも、食器とかタオルまで詰め込むのはどうなのだろう。


 私が手つだわなかったら、本当にこの人当分の生活で困っていたのでは。


 彼は、私がこの家にこないかも、とか思わなかったのだろうか。


 そんな中、廊下にうずたかく積まれた山の中で、それを発見してしまった。


「……」


 男ものの下着まであった。


「グランデさん」

「ん? 何かな?」

「どうしてこんなものまであるんですか。仮にも女性に手伝わせている状況で」


 保険医は、私の指さした方を見つめて「あー」と思い出すような声。


 今の今まで、それの存在を忘れていたらしい。


「とにかく面白くしようと夢中だったからつい。ひょっとして恥ずかしがっているのかな」

「あきれ返ってはいますね」


 またしても新発見だ。


 一つの事に夢中になると、他の事に気が回らなくなるタイプらしい。


 そういう新たな面、発見!


 的なイベントは、意中の男性であるノワール様としたかったのだが。


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