342話 戦い方

第344章

「今度はミサイルの問題だった。このミサイルというものこれもいろいろ種類があるみたいだな。それにしても今現代の戦い方はミサイルが中心になったようだな」

「そうみたいだね、今はロケットの時代だからね、アラン」

「宇宙にロケットでいける時代ですからね、ドロンさん」

「そのために戦いの仕方も昔に比べて随分変わってきたものだな。どんどん時代がたつにつれて、敵との距離が離れてきたようだ。つまり直接相手と接触しないで戦うというやり方にだな。もっとも基本的な戦い方は相手の目の前で戦うことだった。武器といったら素手や刀だったからな。だからどうしても相手と接触しての戦い方だった。しかしその後、鉄砲というものが登場すると戦い方が大きく変わった。相手と直接接近して戦う必要がなくなった。鉄砲は遠くまで弾丸が飛ぶためだ。そのため相手と離れたところで戦えるようになったわけだ。さらに大砲が登場するようになるとこの距離はさらに大きくなった。もっともこの段階では、距離が大きくなったといってもまだ相手が見える距離での戦いだった。海軍の軍艦同士の戦いでも相手の軍艦が見える距離での戦いだった。しかしミサイルとなるとまったく変わってしまった。相手が見える必要がなくなったからな。相手が見えなくとも戦えるようになったというわけだ。そこでこれからの戦い、未来の戦いの仕方だが、おそらくもう人間が戦うことがなくなるのではないかと思う。つまりロボット同士を戦わせてそれで勝ち負けを決めるという戦争の仕方にだ。無人の軍艦同士、無人の戦闘機同士、ロボット兵士同士、これらを戦わせてそれで勝ち負けを決めるという戦争にだ。人間はこれらのロボットをただ操縦するだけというように。コンピューターゲームのような戦争に。こういう形式の戦争がいいのか悪いのかはわからない。ただ人間が死ななくてもいい戦争になってくれればいいと思う」

「そうそうそれが一番だね、アラン」

「そうですそうです、それが一番です、ドロンさん」   つづく

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