339話 変わるかも

第341章

「これからヘリコプターの問題が続くけど、君たち準備はいいかね」

「どういうこと、アラン」

「そうです。意味が解りません、ドロンさん」

「君たちのような、ジェット戦闘機パイロットになることを希望している女子には、興味のない話題になるかもしれないからだ」

「あなたにはかなわないだけ、アラン」

「そうですよ。ドロンさんはヘリコプターパイロットを希望しているからヘリコプターのことに特別に興味があって詳しいでしょうから、ドロンさん」

「そうかもしれないな。ヘリコプターの話ができるのは僕にとってありがたいことだからな。しかしこうして君たちと一緒におしゃべりをしているわけだから、やはりみんなが盛り上がったおしゃべりにしたいのだ」

「ヘリコプターの話題、いいじゃないの結構なことだよ。飛行機だってヘリコプターだって同じ空を飛ぶ乗り物なのだから。それに基礎訓練の最初は両方とも同じだしね。共通の話題はいくらでもあるからね、アラン」

「その通りです。あたしも今はジェット戦闘機を希望していますが、もし入隊出来て訓練をするようになり実際にヘリコプターに乗れることができるようになったら、考えが変わるかもしれません。あたしはまだ飛行機もヘリコプターも実際に姿をまともに見たことすらありません。今現在はただイメージ的なことだけで希望を決めているだけですから、ドロンさん」

「そう言われればそうかもしれない。僕も今現在はイメージ的なことだけで自分の希望を決めているのかもしれない。ヘリコプターのパイロットになりたいという希望をね。だからもし実際に操縦の訓練を始めたら、僕も希望が変わるかもしれない。つまり僕がジェット戦闘機のパイロトを希望することにね」

「そしてその反対に、あたしたち、つまりあたしとユキコのほうがヘリコプターパイロットに希望を変えることになるかもね、アラン」

「そういう可能性だって十分あります。ですから、改まって準備などいりません、ドロンさん」   つづく

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