332話 できる
第335章
「では航空知識試験問題の第1問。シャルルドゴール空母の飛行甲板の大きさを尋ねた問題だったな」
「そうそう一番最初の問題だったからあたしもよく覚えているよ。シャルルドゴール空母の飛行甲板は261.5メートルだったね、アラン」
「そうですあたしもよくこの問題は覚えています。あたしも261.5メートルと書きました。そうでしたね、ドロンさん」
「そうだとも。この261・5メートルの飛行甲板の上に飛行機を無事に着艦させなくてはならない。地上滑走路と違って長さに制限があるから大変だ」
「だからこそ、訓練訓練の連続なんだよ、アラン」
「そうですね、訓練訓練しかありません、ドロンさん」
「飛行甲板の長さに制限があるだけではない。海の上だ。だから絶えず飛行甲板は揺れ動いている。そういう場所に飛行機を無事に着艦させなくてはならないのだ」
「なんだかこういう話をしていると、少し心配になってきたよ。はたしてうまく着艦できるようになれるだろうかってね。たとえ訓練訓練をしてもね、アラン」
「あたしも心配になってきました。本当に無事に着艦させることができるようになれるだろうかってです。訓練訓練をしてもです、ドロンさん」
「今からそんな弱気でいたら何もできなくなる。もっともそんな気持ちの人間はこのEOPAN・FRの試験に合格はできないだろうけどね」
「そうだったね、こんな弱気でいたら試験に合格などできやしないね。絶対できるという気持ち、自信がないとね、アラン」
「あたしは絶対に上手に空母の飛行甲板に飛行機を着艦させることができます。これでどうでしょうか、こういう自信があればいいでしょうか、ドロンさん」
「思考は現実になる、そうだから。そういう自信を自分に言い聞かせるだけでも効果があると思う。自分はできる。だからできる。こういう言葉をいつも自分に言い聞かせるのがいいだろう」
「自分はできる、だからできる。いい言葉だね。こういう言葉をいつも自分で自分に言い聞かせるといいかもしれないね、アラン」
「自分はできる、だからできる。あたしもこれからこういう気持ちで何事にも立ち向かっていこうと思います。そうすれば、たいていのことはうまくいくかもしれません」 つづく
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