324話 信号機のように
第326章
「次の設問の2は、不審な小型船が艦船に近づいてきたらどうするかということだったな」
「だんだん実践的な問題になってきたね、アラン」
「そうですね、いよいよ本番の問題と言うことですかね、ドロンさん」
「海軍だからな。確か選択肢は戦闘配置を取りすぐに攻撃する、というのと、武器を使用するといったん警告を出すというものだったな」
「そうだったね、あたしは武器を使用するとの警告をいったん出してからのほうがいいと思ったよ、アラン」
「あたしもです。あたしもやはり前もって警告をしてから武器を使用して攻撃するほうがいいのではないかと思いました、ドロンさん」
「そうだな、僕もそう答えたよ。やはり何も警告を出さずにいきなり攻撃するのはどうかと思う。もしその不審船が本当になにか自分の艦船に向かって攻撃を仕掛けてくるのであればすぐに攻撃するのも仕方がない。しかしそうでなかったらやはりまずいと思う。確かにこちらから相手の身元を知らせるように通知したのにもかかわらずそれを無視したのであれば、相手に責任がある。ただその通知することができなかったことに正当な理由でもあれば、相手に全責任を負わせてしまうのも酷だと思う。だからやはり前もっていったん警告を出した方がいいと思う」
「そうだね、それがやはりいいと思うね。信号機もそうだからね。青色、黄色、赤色の三色からなっているよね。青色から急に赤色に変わるわけではないからね。必ず赤色になる前に黄色になってからだからね。それから赤色になるわけだから、アラン」
「黄色という色が今ここであたしたちが話している設問の警告に当たるものですね。要するに、設問は青色からいきなり赤色にすべきか、それとも青色から黄色にしてそれから赤色にすべきかと聞いている問題というわけですね、ドロンさん」
「そういうことになるだろうな。やはり信号機と同じように黄色は必要だな」
「そうそう、黄色は必要だね、アラン」
「黄色はとても大切な色です、ドロンさん」 つづく
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