322話 最初の夕食後
第324章
「ところで基地での最初の夜の食事が終わった後、君たちはどうしたのかね。消灯時間まで時間があったからな」
「ユキコといっしょに第一日目の試験の予習をしたよ、アラン」
「そうでした、ジャンヌと一緒に翌日の試験の予習をしてました、ドロンさん」
「第一目の試験は、人格試験、航空知識試験、心理試験、英語試験だったな」
「そうだったね、それでそれらの試験対策をユキコと一緒にやっていたよ、アラン」
「そうです、最初は人格試験の対策をしていました。この試験で重要なことは、自分自身でいることでしたね。変に着飾ったり、実際の自分よりもよく見せようとはしないで普段の自分を表現することでした、ドロンさん」
「そうだったな、この試験の目的は僕たちがいろいろな環境下に置かれたときに、どのようにふるまうのかを知るための試験みたいだったからな」
「そう、だからこの試験には合格点というものはなさそうだったね、アラン」
「ではどのように行動しても構わないということなんでしょうかね、ドロンさん」
「もちろん最低基準はあるだろうな。人として最低限守らなくてはならない基準というものだ。道徳だとか、倫理だとか、常識だとか、こういう基準だな」
「人にはそれぞれ個性があるから、すべての人たちがみんな同じ行動をするというわけではないけれど、こういう最低基準はもちろん守らなくてはならないね、アラン」
「ではこの最低基準を守っていれば、あとはどのようなふるまいをしても構わないということでしょうか、ドロンさん」
「普段の日常生活ではそうだと思う。しかしある特定の組織や集団の中に入ったら、その組織や集団の特別な行動規範というものがあるだろうから、もちろんそれに従わなくてはならないだろうな」
「そうしないと大きな組織や集団を統一できないからね、アラン」
「みんな好き勝手に行動していたらバラバラになってしまいますものね、ドロンさん」
「そういうことだ」
「そういうことだね、アラン」
「そういうことです、ドロンさん」 つづく
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