321話 マカロンを注文
第323章
アランドロンは鈴を鳴らした。すると店員がやってきた。
「およびでしょうか」
「はい、ここにあるマカロン一つずつすべてください」
「かしこまりました」
店員は店内に戻った。
「やはりマカロンはお菓子の王様だ」
「そうだね、マカロンに勝てるお菓子はないね、アラン」
「そうですそうですやっぱりマカロンは最高のお菓子です、ドロンさん」
「まず何と言ってもあの形が実にいいな。あの一口サイズの丸い形だ」
「そうだね、あの形を見ただけで本当においしそうだからね、アラン」
「丸い形というものは人間の食欲を刺激するのでしょうかね、ドロンさん」
「そうかもしれないな。丸い形というものはもちろんとがったところがない、これがいいのかもしれない。つまり食べやすそうに見えるからかもしれない。口の形も丸いだろ、だから口の中に入れやすい。それですぐそのまま食べてしまいたいという気持ちにさせられてしまうのかもしれないな」
「食べやすい形というのも大切なものだね、アラン」
「ビー玉みたいに丸いガラス玉だと思わず飲み込んでしまいたい気持ちになってしまうことがあります、ドロンさん」
「確かにそうだな、ビー玉ってガラス玉だけれど本当においしそうに見えるな」
「飴玉みたいに見えるからね、アラン」
「そうですね。おいしそうなきれいな飴玉みたいにですね、ドロンさん」
「そうだな。しかしやはり食べるのはマカロンにしよう。マカロンは見た形だけではなく、あの食感も実にいいな」
「やわらかいけれどサクッとした食感だね、アラン」
「ビスケットとは違う食感ですね、ドロンさん」
「そうだな、あの食感こそマカロン独特のものだな」
「マカロンの個性だね、アラン」
「マカロンがマカロンであるためのとても大切なキャラクターです、ドロンさん」
「そうだな。そしてその食感の次に待っているのはしっとりとした固めのジャムだ」
「ついに来ました、という感じだね、アラン」
「このジャムにたどり着いた時に最高のクライマックスを迎えます、ドロンさん」 つづく
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