329話 今度はジュース

331章

「TGVの時間まだあるな。コーヒーはもう飲んでしまったし、今度はジュース注文しようかね」

「それがいいね、コーヒーはもうさすがにこれ以上飲めない。ジュースなら大丈夫だよ、アラン」

「あたしもです。ジュースならまだ飲みたいです、ドロンさん」

 アランドロンはメニューを持ち、ながめながら言った。

「では君たちは何がいいかな。シトロンプレッセ、オレンジプレッセ、マンタローがあるね」

「シトロンプレッセって、砂糖で甘くしていないあのすっぱいレモンのジュースだね、アラン」

「それでは一口飲むだけでも大変ですね、ドロンさん」

「水と砂糖付きだから。自分で好きな味にすればいいから大丈夫だよ。自分の好きな量の水で薄めて砂糖を入れて甘くすればいいわけだから」

「あたしは結構好きなほうだよ、あの酸っぱいレモンのジュースをそのまま飲むのがね。水で薄めたり、砂糖を入れて甘くしなくても。レモンジュースのオンザロックって好きだけれどね。レモン果汁100パーセントのあの酸っぱいジュースに氷を浮かべて飲むんだよ。マカロンを食べながらだと実においしく飲める。まずレモンジュースのオンザロックを一口飲む。わーすっぱい! 次にマカロンを一口食べる。マカロンの甘さでそのすっぱさが和らぐ。口の中がまた平和に落ち着いたら、またレモンジュースのオンザロックを。こういう具合にね。こういう変化が実にいいと思うよ。決めた、あたしはシトロンプレッセを注文、アラン」

「ジャンヌはシトロンプレッセですか。あたしはさすがに砂糖を入れないと飲めないと思います。シトロンプレッセ以外にオレンジプレッセがありましたね、ドロンさん」

「そうだね、オレンジの果汁100パーセントのジュースだ」

「それならユキコでも飲めそうだね、アラン」

「そうですね、オレンジならあたしでも飲めそうです。オレンジはレモンみたいにものすごく酸っぱいというわけではありませんから。むしろ甘いくらいですから、ドロンさん」   つづく

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