316話 海軍基地正面ゲート

第318章

「そういう景色を見逃してしまって、試験会場の海軍基地に到着。この時に見た景色、それは海軍基地の正面ゲートだった」

「自動車道路がそのまままっすぐに正面ゲートの中に伸びて続いていたね、アラン」

「そうでしたね、平野が広がっている基地内にそのまま続いていましたね、ドロンさん」

「まるでこれから今まで自分が知らなかった別世界の中に入っていく気持ちだったよ」

「遊園地だとか、劇場だとか、映画館だとか、こういう場所もある意味で別世界の場所だからね、自分が今まで知らなかった世界を見ることができるから。それと似ているような少しウキウキした気持ちだったよ。基地に着いた時は、アラン」

「自分の今まで知らなかった世界、こういう場所に入るときの気持ちって確かにわくわくします、ドロンさん」

「こういうわくわくした気持ちで基地の正面ゲートの前で車を降りたわけだ。僕たちは。そこには正面ゲートに向かって左側に帆船を真ん前から見た画が描かれていたな」

「そうだったね、そこには正方形の石碑のようなものがあって、そこに描かれていたね、アラン」

「ランベオックプルミック海軍航空隊基地(BASE AERONAUTIQUE NAVALE LANVEOC POULMIC)と基地の名前が書かれていた石碑でしたね、ドロンさん」

「そうだったな、さらに海軍士官学校(ECOLE NAVALE)とも書かれていたな」

「もっと正確に言えば、海軍士官学校ー合同学舎(ECOLE NAVALE-GROUPE-ECOLES)と書かれていたと思うよ、アラン」

「この合同学舎(GROUPE-ECOLES)といういくつかの海軍の学校の中に、あたしたちがもしかしたら入れるかもしれない初期パイロット養成校(Ecole d'initiation au Pilotage escadrille 50 S)があるのですね、ドロンさん」

「そうだな、合格出来たらの話だけれどね」

「できるかな、アラン」

「できますでしょうかね、ドロンさん」   つづく

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