311話 国防史編纂部
第313章
「ジャンヌダルク通りだよ(Rue Jeanne d'Arc)」
「そうだったか、知らなかった、アラン」
「ジャンヌと同じ名前だ。おもしろい一致ですね、ドロンさん」
「シェルブールの国防史編纂部(SHD)は1970年にここにもともとあった兵舎を利用して設置されたようだ(installée depuis 1970 à la caserne)」
「あそこの建物って兵舎だったのかこれも知らなかったよ、アラン」
「いったいどういう建物なのですか、ドロンさん」
「1784年に建てられて、シェルブールにあるもっとも古い軍事建物のうちの一つみたいだ(un des plus vieux bâtiments militaires de Cherbourg, construi en 1784)」
「ああそれでか、あそこの建物ってなんだかずいぶん時代がかっているなあと思ったから、アラン」
「どういう格好をしている建物なのですか、ドロンさん」
「二階建てでね横に長い長い格好をした建物だよ」
「そうだね、建物は薄いクリーム色していて、屋根は三角形をして黒色でね、アラン」
「イメージがわいてきました、ドロンさん」
「建物の正面玄関には昔の大砲が一本づつ両側に置かれているね」
「そうそうそうだった。そしてその正面玄関には上側のところにフランス国旗が掲げられていたよ、アラン」
「わかりましたジャンヌ。ではそういう建物の中にジャンヌがEOPAN・FRの試験の申し込みをしたCIRFAがあるのですね、ドロンさん」
「そうと言ってもいいかもしれないけれど、正確に言うと実はそうではない。この敷地は広くてね、そのほかにもいろいろな建物があるからだよ」
「そうそう、地図で見れば簡単にわかるけれどユキコ、CIRFAがあったのはこのメインの建物に向かって一番右側の端にあったね、アラン」
「だいたいイメージがつかめました、ジャンヌ。ところでこのSHDというところですが、どういうところなのですか、ドロンさん」 つづく
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