310話 シェルブールのCIRFA
312章
「それにしてもやっと最初の試験が終わったな」
「この3日間、いろいろあったね、アラン」
「そうでしたね、いろいろありましたね、ドロンさん」
「試験を受ける前からもいろいろあったな」
「どういうこと、アラン」
「そうですどういうことですか、ドロンさん」
「軍情報採用センターでのことだよ」
「ああそういうこと、アラン」
「そうでしたね、今思うとずいぶんなつかしいことでしたね、ドロンさん」
「このEOPAN・FRの試験を受けるためにはまず軍情報採用センターで試験の申し込みをしなくてはならなかったからね」
「そうだったね、アラン」
「そうでしたね。ドロンさん」
「ユキコと僕はパリの軍情報採用センターでこの試験を申し込んだんだけれど、ジャンヌはどこで申し込んだの」
「シェルブール軍情報採用センターだよ(CIRFA Cherbourg)、アラン」
「この軍情報採用センターってフランス国内にたくさんあるみたいですね、ドロンさん」
「シェルブールの軍情報採用センターは陸軍や空軍も募集しているのかね、ジャンヌ」
「いや、シェルブールは海軍専門だよ(Bureau Marine nationale), アラン」
「さすがジャンヌの海の見える街ですね、ドロンさん」
「君の行ったところはどういう感じのところだったのかな、ジャンヌ」
「シェルブールの駅の北西に国防史編纂部(Service Historique de la Défense)というところがあるんだけれど、そこにあったよ、アラン」
「出ました、シェルブールの駅、『シェルブールの雨傘』の中で二人が別れる印象的な場所ですね、ドロンさん」
「ああ、国防史編纂部か、そこ知っているよ、そこの南側にある道の名前、ジャンヌは知っているかね」
「そんなこと知らないよ、アラン」
「いくら自分が住んでいる町だからって道の名前まで知っているとは限りませんよ、ドロンさん」
「確かにね」
「でも知りたいね、アラン」
「そうですね、教えてください、ドロンさん] つづく
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