304話 注文

306章

「君たちは何がいいかな。コーヒーはカフェ・ノワゼット、カフェ・クレム、があるな」

「カフェ・ノワゼットって、エスプレッソのコーヒーにミルクを少し入れたものだね、アラン」

「このミルクですがここのお店では最初からコーヒーに入れられているのでしょうか、それとも冷たいミルクが入ったポットが添えられるのでしょうか、ドロンさん」

「それはわからない。注文してみないと」

「カフェ・クレムは、カフェ・ノワゼットよりもミルクがたくさんだね、アラン」

「カフェオレとはメニューに書かれてませんね、ドロンさん」

「そうだよ。メニューにはカフェ・クレムと書かれているんだよ」

「では、あたしはカフェ・ノワゼットがいいよ、アラン」

「そしたらあたしはカフェ・クレムにします、ドロンさん」

「コーヒー以外にはココアのショコラ・ショーがあるね」

「ホットココアかあ、そっちもいいね、アラン」

「そうですね、そっちがいいかな、ドロンさん」

「紅茶もあるよ。ミルクティーのテ・オ・レ、レモンティーのテ・オ・シトロン、ハーブティーのアンフュジョンだな」

「ああ、紅茶もね、紅茶も飲みたくなったよ、アラン」

「紅茶ですか、それもいいですね、ドロンさん」

「ジュースもあるね。ミントシロップを水で薄めたマンタロー、ミントシロップのソーサー割のディアボロマント、レモンのシトロン・プレッセ、オレンジのオランジュ・プレッセ」

「ジュースもあるのか、やはりそれにしようかな、アラン」

「あたしもジュースを飲みたくなりました、ドロンさん」

「では、君たちはいったい何がいいのかな」

「そうだね、迷うね、アラン」

「そうです、迷ってきました、ドロンさん」

「コーヒー、ココア、紅茶、これらをすべて飲むことはさすがにできないけれど、ジュースなら一緒にでも飲めるのではないかね」

「そうだね、ではコーヒー、ココア、紅茶の中から一つを選んで、もう一つジュースも、こういう注文でいいね、アラン」

「そうですね、それなら全部飲めそうです、ドロンさん」   つづく


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