297話 またブレスト駅に
第299章
船から降りた藤枝たちはブレスト駅に歩いて向かった。
「船の次は今度は列車だ」
「これで完全に帰宅だね、アラン」
「列車に乗ったらあとはもう一直線ですね、ドロンさん」
「ブレストの駅舎って確か丸い形をしていたな」
「ブレスト駅どこにあるのか知っているの、アラン」
「そうですよ、あたしもまったく知りません、ここに来たのは初めてですから、ドロンさん」
「僕もこのブレストの街に来たのは初めてだ、しかし何とかわかるよ」
「船から降りたみんなについて行けばね、アラン」
「ジャンヌそうですね、みんな同じ方向に歩いていきますからね、ドロンさん」
「それに時間はあるから、そんなに焦ることもないよ」
「時間があるときは少しぐらい道に迷った方が面白いかもね、アラン」
「時間があるときはですね、試験が終わった後だからいいですが、もしこれから試験を受ける時では大変ですね、ドロンさん」
「これから試験を受けなくてはいけないときに道に迷ってでもしたらパニックになってしまうね」
「本当だよ、生きた心地がしなくなるね、アラン」
「試験の日に遅刻などしたら冗談にもなりません、ドロンさん」
「しかしこうやって初めて来た街の中を、散歩のように歩くことってやはりおもしろいな」
「そうだね、どれもこれも見たことがない新しい光景ばかりだから、アラン」
「本当にミステリーツアーみたいで楽しいです、ドロンさん」
「あっ、ここにカフェがある、いいね、この海のそばにあるカフェとは」
「こういうカフェで海を見ながら一休みしたら楽しいだろうね、アラン」
「そうですね、海のそばのカフェ、なんだか絵画的です、ドロンさん」
「窓から海が見える、これがここのカフェのセールスポイントだ」
「カフェにはお店ごとのセールスポイントがあるからね、アラン」
「すてきなセールスポイントです、ドロンさん」
「あれ、もしかしたら」
「なに、アラン」
「どうしましたか、ドロンさん」
「ほら、あの高い塔のような建物、そしてその下には丸い形をした建物が」
「ああ、あれね、アラン」
「とても目立つ建物ですね、ドロンさん」 つづく
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