292話 ロスカンヴェル

 第294章

 船はさらに北上した。するとまた左側に半島が見えてきた。

「今度はロスカンヴェル(Roscanvel)だ。あそこに見える半島でいよいよ最後だよ」「最後って何が?アラン」

「そうです何ですか、ドロンさん」

「もうすぐブレストに着くということ」

「そういうこと、アラン」

「そうでしたか、ドロンさん」

「あそこのロスカンヴェルを過ぎると、もう何もなくすぐにブレストの港に着くから」

「そう、ではこの船を降りる用意をしないと、アラン」

「そうですね、では用意をしましょう、ドロンさん」

「まだ大丈夫だよ。もう少し時間がかかるから」

「そう、ではまだ少しゆっくりして景色を楽しむね、アラン」

「ではそうしましょう、ドロンさん」

「あそこにはロスカンヴェル海事センター(centre nautique de Roscanvel)というところがあってね」

「今度はロスカンヴェルの観光案内ね、アラン」

「ではよろしくお願いします、ドロンさん」

「そこでカヤック(location kayak)などを借りて海でセーリングを楽しむことができるみたいだ」

「カヤックってカヌーみたいな小舟だね、アラン」

「海の上でセーリングですか、楽しそうですね、ドロンさん」

「借りられる時間は2時間(pour 2 heures de location)みたいだ」

「それだけの時間があればずいぶん楽しめるね、アラン」

「話を聞いているだけで楽しくなりました、ドロンさん」

「9時から12時まで、または14時から17時まで(entre 9h et 12h ou 14h et 17h)借りられるようだ」

「では今度またここに来られたら借りてみよう、アラン」

「あたしもまたここに来られたら借りてみます、ドロンさん」

「料金は20ユーロ(tarifs:20 euro)みたいだね」

「それくらいの金額ならお小遣いでも借りられるね、アラン」

「日本円にすると約2800円くらいですね、それならあたしも借りられます、ドロンさん」   つづく

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