289話 ロンド島
第291章
「ほら、あそこに小さな島が見えるだろう。プルガステル-ダウラの半島のすぐ近くに」
「ああ、あれね、本当に小さい島だね、アラン」
「歩いて簡単に一周できてしまいますね、ドロンさん」
「あれはロンド島(Île Ronde)という島みたいだ。あの島を歩いて一周するのに一時間もかからないだろうね」
「あの島どういう島なの、アラン」
「何か特別な島なのですか、ドロンさん」
「あの島から600メートル東に行った海上には二つの『アルバ公爵』(ducs-d'Albe) があったみたいだ」
「何それ、アラン」
「そうです何ですかそれは、ドロンさん」
「 船の係留施設だよ。コンクリートで造られた円柱形のようなものみたいだ(ces cubes de béton) 船を海上で動かないようにロープでつなぎとめるための施設だ」
「今は使われてないわけ?アラン」
「昔は使われていたのですね、ドロンさん」
「これは第二次世界大戦の時にフランスを占領していたドイツ軍によって造られたようだ(deux ducs-d'Albe construits par l'Occupant lors de la seconde Guerre mondiale)」
「どういう目的だったの?アラン」
「やはり軍事目的だったんでしょうね、ドロンさん」
「ドイツ海軍の戦艦ビスマルクをここに連れてくるためだったようだ(Ils avaient vocation à accueillir le cuirassé Bismarck)」
「そういうことか、アラン」
「そうでしたか、ドロンさん」
「あの島の東側のすぐ近くにあるプルガステル-ダウラの半島のアルモニカの先端(Pointe de l'Armorique)というところにはね、鉄格子の門があって『軍事施設なため許可なく立ち入り禁止』という看板があるみたいだ(TERRAIN MILITAIRE ACCÈS INTERDIT aux PERSONNES NON AUTORISÉES)」
「そこも海軍が管理しているわけか、アラン」
「そこも海軍基地の一部ということですね、ドロンさん」 つづく
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