272話 船がやってきた

第274章

 藤枝たちは海の沖の方を見ていた。

「あっ!」

「なに、アラン」

「なんですか、ドロンさん」

「来たみたいだ、船が」

 アランドロンは海の方を指さした。

「ああ、そうみたいね、アラン」

「来たようですね、ドロンさん」

「あの船。二階建てになっているな」

「けっこう大きな船だね、アラン」

「そうですね、ドロンさん」

「一階には100人ほど乗れそうだな。二階は50人くらいだろうか」

「そうねそれくらいだね、アラン」

「たくさん乗れそうですね、ドロンさん」

「全体的に白色の船だな」

「波の白色みたいだね、アラン」

「白い波をかけ分けながらこちらに向かってきますね、ドロンさん」

「しかし海面に接しているところは水色になっているよ」

「本当だ、アラン」

「少しばかり水色になっていますね、ドロンさん」

「海面から数十センチくらいの高さまで水色でそれが海面に平行して横線のラインのように船の足元を彩っているよ」

「かき分けている白い波の間から水色のラインがちらちら見えているね、アラン」

「船が止まればはっきり見えますね、ドロンさん」

「船の一階の後ろの方」

「なに、アラン」

「なんですか、ドロンさん」

「幅数十センチくらいの青色と赤色のラインが描かれているよ」

「ああ、確かに、アラン」

「そうですね、ドロンさん」

「その二つのラインは前から後ろに向かって45度くらいの傾きで描かれているよ」

「船が前に進んでいくイメージだね、アラン」

「実にいいイメージですね、ドロンさん」

「それら青色と赤色の二つのラインの間が同じくらいの幅で空いているよ」

「くっついてはないね、アラン」

「青色のラインと赤色のライン、離れていますね、ドロンさん」

「青色と赤色のラインの間、そこが白色なためフランス国旗のように見えるよ」

「青色、白色、赤色のラインが描かれているね、アラン」

「フランス国旗をイメージした配色デザインですね、ドロンさん」

 船をどんどん藤枝たちの方に向かってやってきた。桟橋近くにくると急にスピードが遅くなった。そしてそのまま惰性で桟橋近くまでやってきた。   つづく

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