270話 桟橋
第272章
「あ、ここは海軍士官学校の北側にある桟橋だ」
「そうだね、桟橋の南側に士官学校の校舎が見えるね、アラン」
「確か士官学校の校舎の名前はオリオン(orion)というのでしたね、ドロンさん」
「そうだよ」
「この桟橋から船に乗ってブレストに行くんだね、アラン」
「ここから船に乗っていくんですか、ドロンさん」
「そのようだね。確かこことブレストの間は普通の船会社が運航をしていたと思う。毎日一定の時間ごとにこことブレストの間を船で行ったり来たりしていたと思う。もちろんここは海軍の基地だから、船に乗れる人は海軍関係者だけだろうけどね。しかしここの定期船便を運行しているのは普通の船会社だったと思う。本社はブレストの駅の近くにあったと思うよ」
「アラン、あなたずいぶん詳しいね。ヘリコプターだけではなくて」
「ドロンさんはやはり海軍のことはずいぶん詳しいですね」
「興味があることは自然とその情報が入ってしまうからね。興味を持つことだよ。そうすれば自然とそれに関する知識がどんどん増えていくからね。だから身構えて懸命に覚えようとしなくてもいいのだよ。よく学習というと机の前に座ってしかめ面をして額に汗して努力して覚えようとしている様子のイメージが浮かんでくるけれど、そんなことではなかなか覚えられないね。やはり興味をもって楽しい気持ちがないとだめだね。興味があって楽しんで取り組めば努力などしなくても簡単に覚えられてしまうもんだよ」
「そうかもね、しかしその興味を持つこと自体がなかなか大変だけれどね、アラン」
「そうですね、興味を持つためにはどうしても自然と体の中からわきあがってくるような情熱というのでしょうか、そういうもの、エネルギーが生まれてこないとどうすることもできせん。ドロンさん」
「待つのではなく向かっていくんだよ。自分のほうから積極的に向かっていくんだよ。そうすれば実に面白い。今まで関心がなかったことに急に興味が持てるようになるから」 つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます