245話 英語口述対策1
第247章
「藤枝さーん……」
「……」
「藤枝さん、起きてくださーい……」
「うーん……」
「起きましたか、では授業始めますよ」
「授業?」
「そうですよ、始めますよ」
「なんでしたっけ」
「英語の口述試験対策講座ではありませんか」
「ああ、そうそうそうでした。ここは英会話教室でしたね」
「一か月以内に英語の口述試験に対応できるようになりたいと言ってたではありませんか」
「そうですそうです。お願いします。もう時間がないので」
「でしたらもう寝ないでくださいよ」
「はい、すいません」
「ではこれから始めるこの英語口述試験対策講座ですが、この授業のやり方をまず説明します」
「はい」
「最初に私が藤枝さんにいろいろ質問します。そしたら藤枝さんにそれに答えてもらいます」
「英語でですね」
「いえ、最初はすべて日本語でやります。母国語の日本語ででも受け答えができないようでは英語でなどできるわけないからです。まずは日本語で受け答えがうまくできるようになる練習をします。それができるようになったら、今度は英語で練習をします。わかりましたね」
「はい」
「では始めましょう。最初の質問です。自己紹介してください」
「はい……えー、私は藤枝有紀子といいます。17歳です。高校3年生です。英語の成績はあまりよくありません。しかしできるようになりたいです。というかできるようにならなくてはいけなくなってしまいました。そのため英会話教室に入りました。これで英語ができるようになれたらうれしく思います。学校の科目で得意なものはありません。しかし私はお菓子作りが好きです。そのため学校が終わった後、フランス洋菓子店でアルバイトをしています。マカロンのお菓子を作っています。ほかのアルバイトの人たちはみんなマカロナージュがうまいです。私だけまだうまくありません。ですから毎日うまくできるように練習しています。絶対いつかうまくできるようになるつもりです。私はお菓子の中でマカロンが一番好きです」 つづく
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