242話 一か月後の口述英語試験
第244章
二人は宿舎の自分たちの部屋の中に戻った。
「ついに終わったね」
「ついに終わりましたね。いいえ私はまだ英語の口述試験が残っています。一か月後スカイプで英語の口述試験がです」
「そうだったね」
「ジャンヌさんのように、TOEICの成績が良かったから試験免除してもらえたわけではありませんから」
「ああ、そうだ」
「なんですか」
「もしかしたらさっきの面接試験に合格したかどうかわかるかもしれないよ」
「どういうことですか」
「もし英語の口述試験で優秀な点をとっても、不合格が既に決まっていたら一か月後の口述試験やっても意味ないでしょう。だからこれからやる口述試験の時の試験官の雰囲気でわかるかもよ」
「ああ、そういうことですか」
「もし面接試験に合格していたらこの英語の口述試験ではかなり詳しく試験されるかもしれないよ。つまりこの口述試験で最終合格が決まってしまうのかもしれないからね」
「ということは、口述試験で簡単に試験されてしまったら、合格はだめということですか」
「それはわからないけれど、口述試験をやる前からもうすでに不合格が決まってしまっていたらわざわざ時間かけて試験やる意味はないでしょ」
「確かにそうですね。しかしそれではこれから一か月間かけて口述試験対策しても意味ないですね」
「まださっきの面接試験に合格したのかどうかわからないじゃないの。それにもしダメだったとしても口述試験対策したことは自分の英語力を身に着けることで決して無駄になるわけではないからね」
「それもそうですけれど、やはり合格したという前提での学習のほうががぜんやる気が出てきます。もしかしたら不合格になっているのかもという気持ちがあると、それだけで足を引っ張られます」
「だったらこれから一か月間さっきの面接試験に合格したという前提で過ごせばいいよ。これですごくやる気が出てきたでしょう」
「暗示のようなものですね。自分に言い聞かせるしかありませんね」
この時、先輩上級生が二人の部屋の中に入ってきた。
「夕食です。部屋から出てください」 つづく
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