232話 面接28

第234章

「あなたは集団生活をしたことがありますか(Vous avez des experiences de vie en communauté ?)」

「中学生の時に生活訓練という学校の行事がありました。一泊どまりで生徒たちが共同生活するのです。こういうことが質問の『集団生活』ということに当てはまるのかどうかはわかりません。たった一泊どまりだけだからです。これでは普通の一泊二日の泊りがけの楽しい観光旅行と全く同じだからです。生活の訓練とは言えません。生活訓練というためには期間がもっと長いことが必要だと思います。この長期間にわたって実にほかの人たちとうまく共同生活していくかが問われるのだと思うからです。しかもほかの人たちはかならずしも自分と気の合う人たちばかりというわけではありません。いやむしろ気の合わない人たちのほうが多いのかもしれません。そこでこのような人たちとうまく共同生活していかなくてはいけないわけです。しかし強いて言えばこういうことぐらいしかありません。しかしこの集団生活の意味ですが、広い意味でとらえて、ある共通の目的をもってたくさんの人たちがそれぞれの普段の生活時間の一部を一緒に過ごすこと、このように考えるのであれば、もちろんたくさんあります。例えば町内会の行事に参加するということなどです。私もこういう意味での集団生活でしたら子供の時からたくさん経験してきました。しかしどちらとして考えても共通の意義はあると思います。つまりたくさんの人たちとうまくやっていけるかということだと思います。私たちは一人一人個性というものがあります。この個性というものは一人一人違うものです。似ている場合はありますが、全く同じ個性というものはありません。そのため当然お互いの個性が合わなくて、対立したり衝突したりするわけです。問題はこのような場合にお互い同士うまくやっていけるかどうかだと思います。この質問は要するにほかの人たちとうまくやっていけるかどうかということだと思います。それならばだいじょうぶです。私は自信があります。   つづく             

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