220話 面接16
第222章
「どうしてあなたは海軍なのですか、どうして陸軍や空軍ではないのですか(Pourquoi la Marine et pas l’Armée de Terre ou l’Armée de l’Air?)」
「海の見える景色が好きだからです。私は魚釣りのことはわかりませんが、人によっては海での魚釣りが一番いいという人もいるようです。湖や川では物足りないのだそうです。しかも海での魚釣りも海岸での釣りもいいけれど船に乗っての魚釣りがよりいいという人もいるようです。こういう気持ち私にはよくわかります。海から吹いてくる潮風に当たりながら何かをすることはとてもいいものです。湖や川というった限られた小さい場所で魚釣りをするよりも、大きな海で魚を釣るほうが実に素敵であることは疑いありません。それに海というのは限界がありません。世界中につながっているのです。世界中どこの国にも行くことができるのです。ですから海にいると無限の可能性を感じることができるのです。それに水平線から登っていく太陽、こういう太陽を見ることができるのです。すばらしいではありませんか。こういう素敵な海という場所で働けることはとてもありがたいことだと思います。大きな海、この光景を想像しただけで楽しくなります。さらに……」
「ちょっと待ってください。あなたは何か勘違いしていませんか」
「はい?」
「海に遊びに行くのではありませんよ。海水浴にでも行くのでは確かに海というところは楽しいところでしょう。仕事で行くのです。しかも何か月もです。そして海がしけているときも、真冬の寒い時にもです。あなたはこのことをわかっているのですか」
「はい、もちろんわかっております。どうしてこういうことを言いましたかと申しますと、物事のマイナス面を見て弱気になっていては何も解決できないからです。ですからなるべくプラスの面を見るようにしているのです。そうすればマイナス面を打ち消してなお余りが出ると思うからです。そうすれば損することがないからです」 つづく
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