第２１８章

「あなたは今までに航空の分野で何をしましたか(Qu'est-ce que vous avez déjà fait dans le milieu aéronautique?)」

「はい、日本の羽田空港でエールフランスの飛行機の掃除をしたことがあります」

「そうですか。ではどのようにして掃除をしたのか話してください」

「はい。パリから羽田空港に到着したばかりのエールフランスの飛行機の中を掃除するわけです。まず飛行機が滑走路に着陸するとターミナルビルに来ます。そこでボーディングブリッジという搭乗橋を飛行機のドアにつけます。搭乗橋とは細長くてトンネル状の通路のようなものです。この搭乗橋を飛行機につけましたら飛行機のドアを開けます。そこから乗客たちが降りていきます。機内に乗客たちが全員いなくなると私たちが乗り込んでいき機内の掃除をするわけです」

「そうですか。もう少し具体的に話すことができますか。エールフランスの飛行機が日本の空港でどのようにして掃除がされているのか知りたいので」

「はい。まずは客室の中を掃除します。客室の中はゴミだらけです。10時間以上も機内にたくさんの乗客が乗っていたからです。まずは大きなごみを拾い集めていきます。新聞、雑誌、お菓子のあき袋、ジュースの空き缶などなどです。次に細かいごみの掃除です。床に散らかっているお菓子の食べかすです。客室の中の掃除が終わると、キャビンアテンダントのギャレーという小さい部屋の中の掃除です。台所のような小さい部屋です。この部屋の中では機内食のごみ処理をします。そして最後にパイロットの操縦室の中の掃除です。コックピットの中には操縦かん、様々な計器類、天井にたくさんついているスイッチ類などがあります。これらの掃除は航空整備士の方がされるようなため、私たちは床の上のごみを掃除したり、機長席と副操縦士席にあるパイロット用の酸素マスクのアルコール消毒をするのが主な作業です」　　　つづく