215話 面接11
第217章
「どうしてこの仕事を選んで他の仕事ではないのですか(Pourquoi vous prendre vous et pas un autre?)」
「私はEOPAN・FRのために生まれてきたのです」
「すごいこたえですね」
「ヴェロニクジャノ(Véronique Jannot)の『飛行士』(Aviateur)の歌詞の中に出てくる言葉とまったく同じです」
「ヴェロニクジャノって誰ですか」
「フランスの歌手ですが……私と一緒に今この試験を受けているジャンヌさんにそっくりな歌手ですが……」
「フランスにそんな歌手がいるのですか」
「はい…?ユーチューブ動画見ればわかりますけれど……」
「そのヴェロニクジャノとかいう歌手の歌詞とあなたが今答えたこととどういう関係があるのですか」
「私の気持ちをまったく言い表しているからです」
「どういうふうにですか」
「『私は生まれてきた。真っ青な空のために、翼が二枚の昔の飛行機やパイパーカブ飛行機のフライングジャケットの革ジャンパーに心を奪われるために』(je suis faite pour l'azur et ces conquêtes pour le cuir des flyings jackets en coucou en piper)という歌詞です。この歌詞がまさに私の気持ちそのものだからです。私はこの真っ青な空のために生まれてきたのです。この真っ青な空を飛ぶために生まれてきたのです。私は鳥として生まれてきたのです。そしてフライングジャケットを着るために生まれてきたのです。フライングジャケットは私のためにある服なのです。その人にはその人にふさわしいものが必ずあると思います。これは生まれながらの宿命的なものかもしれません。もちろん必ずしも自分の希望どおりにはいきません。むしろ希望通りいかないのが普通だと思います。しかし実現できるかどうかはともかく言葉で言うことだけでしたこういう風にこたえてもいいと思います」 つづく
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