213話 面接9
第215章
「パイロットの仕事は危険な仕事であることをあなたは知っていますか(Connaissez-vous les risques liés au métier de pilote?)」
「はい、もちろん知っています」
「ではどうしてこの仕事を希望するのですか。パイロットの仕事は危険であるとあなたは知っているのにもかかわらずにです」
「危険な仕事といいますが、それはパイロットの仕事に限らないと思います。パイロット以外のすべての仕事もそうだと思います。パイロットの仕事は空を飛ぶ仕事なため一見すると確かに危険な仕事のように見えます。陸の上の仕事のほうが安全のように見えます。足が地面についているからです。落ちる心配がないからです。そういう陸上の仕事に比べるとパイロットの仕事は空を飛ぶため、足が地面についていません。ですからいつ落ちるのか危ないように見えます。しかしこれはイメージ的なものであると思います。実際はそういうことはないと思います。安全に整備されて正しく操縦すれば問題ないと思います。飛行機というものは事故が起きた場合、他の乗り物よりもその事故の仕方がダイナミックだからだと思います。劇的だからだと思うからです。そのため、人々に与える衝撃がより大きいからだと思います。何しろ空から墜落していくわけですから。隕石のようにです。とてもドラマティックのようにです」
「ドラマの話をしているのではありません。それにあなたが話していることは、それは平時の場合です。戦闘状態の時ではありません。平時の場合であれば、安全に整備されて、正しく操縦すれば危険はないでしょう。しかし戦闘状態の時はそうではありません。空の上で戦わなくてはいけないのです。空中で敵機と戦わなくてはいけないのです。足が地面についていないところでです」
「はい、そうです。しかし戦闘状態になれば危険なことにあうのはパイロットだけではありません。陸の上で戦う場合も危険なわけでしてパイロットだけが例外ではないと思います」 つづく
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