フランス海軍空母ジェット戦闘機パイロット。（フランス版トップガン）

187話 面接で聞かれること １０

第１８９章

「この訓練についての質問が出たけれど、またこれと関係がある質問をされたよ」

「どういう質問ですか」

「『もし最初からすべてアメリカで訓練を受けることになったらあなたはどうしますか』(Comment pensez vous que vous serez si vous allez en cursus Full US?)」

「どういうことですか。意味がよくわかりません」

「戦闘機パイロットの場合だけれどね、戦闘機パイロットの訓練は、実はフランス国内ではなく、アメリカで行わられているからだよ」

「ああ、そうでしたか。そういうこと以前に聞いたことがあります。それでパイロット希望者は英語力が重要だとか」

「そうなんだよ。もっとも戦闘機のパイロットの訓練も普通はね、最初はフランス国内で行うのだよ。そして最後にアメリカで訓練をする。これが普通の訓練パターンだよ。まずはフランス国内でプロペラ機の操縦ができるように訓練をする。それができるようになったら、いよいよアメリカの海軍基地でジェット戦闘機の操縦訓練をするという段取りだ。アメリカ海軍の空母でジェット戦闘機の発艦訓練、着艦訓練をね。だから最初からアメリカで訓練をするというのは、プロペラ機の操縦訓練もすべてアメリカで行うというわけだ」

「それでは英語がかなりできないとだめですね。最初の基礎訓練からいきなり英語でやるとなると。それで機長はどうこたえたのですか」

「私は戦闘機ではなく、もともと輸送機を希望していたけれど、もしすべてアメリカで訓練を受けることになったら、もっと英語力を身につけるつもりです、とかこんなことをこたえたと思う」

「なるべく前向きのこたえですね」

「そういう気持ちでこの試験を受けないと受からないからね」

　機長はここでジュースを飲んだ。

「あ、もうジュースがなくなった。すいません！」

　機長は、喫茶店の人にジュースをまた注文した。

「さあ、君ももう一杯注文したらいいよ。まだ先が長いからね」

「まだ質問があるのですか」

「これでやっと三分の二が終わったくらいだね」　　　つづく