182話 面接で聞かれること 5
第184章
二人はヴェロニクジャノの飛行士の曲で盛り上がっていた。しかしここで急に藤枝は思い出したように言った。
「あ、そうでした。それより面接試験の時に聞かれる質問でした。続きをお願いします」
「ああ、そうだったね。ついヴェロニクジャノの飛行士に夢中になっていた。これから質問されることはまだまだいっぱいあるからね」
「ではよろしくお願いします」
「『あなたは今までに航空の分野で何をしましたか』(Qu'est-ce que vous avez déjà fait dans le milieu aéronautique?) もし小型プロペラ飛行機のパイロットの免許を持っているのならばそれをこたえればいいし。そこまではなくても、何か飛行機に関することを、今までにしたことがあるのかということを聞く質問みたいだったね」
「あたしの場合は羽田空港でエールフランスの飛行機の掃除をしたということぐらいですね」
「それなら立派なこたえになるよ。私は特に何もなかったからね」
「わかりました。では次の質問をお願いします」
「『あなたを良いパイロットにするのはどういうことでしょう』(Qu'est-ce qui ferait de vous un bon pilote?)」
「やはり常に航空に関する知識を取り入れていくことでしょうか」
「そうだよ。どんどん進化していくからね。新しい航空技術が次から次へと増えていくから。だからいつも追いついていかなくてはいけないからね。やっとの思いで追いついたと思ったら、またすぐ覚えなくてはいけないことが増えていくからね。だから終わりがないのだよ」
「はい。わかりました」
「この良いパイロットになるための質問は一般論。しかし次の質問では、受験自身がそのような条件に適しているかということが聞かれるよ。『あなたは自分が良いパイロットになれると思いますか』(Vous vous considérez comme un bon pilote?)」
「これはもちろんなれますとこたえるべきですね」
「もちろんそうだよ。だからこの試験を受験しているのだからね」 つづく
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