195話 面接で聞かれること 18
第197章
機長はここで和菓子を一口食べ、また続けた。
「いよいよ最後の質問だよ」
「一番最後にどういうことが質問されるのか、とても興味があります」
「しかしこの質問は、とても微妙な質問だよ」
「どうしてですか」
「政治的な質問だからね」
「どうして政治的な質問だと微妙なのですか」
「利害が対立しやすいからだよ。君はこういう言葉を知っているかね。『社交場では政治と宗教の話はしないほうがいい』という言葉だよ」
「聞いたことはありますが、どうして政治と宗教の話はしないほうがいいのですか」
「政治と宗教というものはその人のこの世界での存在意義そのものだからだよ。だから自分がいいと思っている政治や宗教と違う考えを持っている人とはなかなかうまくいかないからだよ。利害が対立しやすいからだよ」
「自分が得すると相手が損をする。相手が得をすると自分が損をする。こういう関係になるからということですか」
「そうだよ。政治というものは人々の生活スタイルを決めてそれを実行していくことだね。この人々の生活スタイルというものはもちろんたくさんある。しかし一つに決めなくてはいけない。もし人々が自分の好きなスタイルで生活したら世の中めちゃくちゃになってしまうからね。たとえば、普通は我々は昼間動いて夜寝るという生活スタイルをする。しかし人の中にはそうでない人もいる。夜が好きで夜に動いて昼に寝るという生活スタイルをしたがる人もいる。しかしこのように人々が好き勝手にある人は昼、ある人は夜というように動かれては、社会をまとめることができなくなる。そこでこれらをまとめる作業が必要になる。それが政治だ。そこで次の問題が出てくる。昼間動き、夜動くことは禁止すると決めたとしよう。そうすると昼間動きたい人にとってはありがたい政治である。しかし夜に動きたい人にとっては不満が出てくるわけだ。そのため昼派と夜派との間で利害が対立してしまうことになる。それで両者の関係が悪化してしまうことになるわけだ」 つづく
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