165話 バメバル試験終了

第167章

 14分経過。距離2500メートル。第13段階。藤枝はかろうじて間に合った。ジャンヌはまだ余裕であった。しかし次第に苦しい表情になっていった。現在の走るスピードは14キロメートルであるが、ここでもあと0.5キロメートル、スピードを上げていかなくてはいけない。

 14分13秒。ここでスピードを14.1キロメートルにしなくてはいけない。しかし藤枝は14キロメートル以上スピードを上げることができなかった。

 14分25秒。ここでのスピードは14,2キロメートル必要である。しかし藤枝はまだ14キロメートルのままであった。

 14分37秒。ここでは14.3キロメートル。しかし藤枝はまだ14,1キロメートルであった。

 14分49秒。ここでは14.4キロメートル。藤枝はまだ14.2キロメートルだった。

 14分56秒。ピーと鳴った。しかしついに藤枝は間に合わなかった。

「藤枝有紀子、失格!」  

 試験官が大きな声で言った。藤枝は立ち止まりフラフラになりながら試験官のほうにやってきた。

 ジャンヌだけは走り続けていた。第14段階であった。14.5キロメートルで走り続けていた。しかしジャンヌもしだいにスピードが上がらなくなってしまった。

 15分13秒。ここでは14.6キロメートル。しかし14.5キロメートルで走っていた。

 15分25秒。ここでは14.7キロメートル。しかしここでも14.5キロメートルで走り続けていた。

 15分37秒。ここでは14.8キロメートル。やはり14.5キロメートル以上は出せなかった。

 15分49秒。ここでは14.9キロメートル。もうすぐ第15段階である。ジャンヌは14.5キロメートルから懸命にスピードを上げていった。

 15分54秒。ピーと鳴った。しかしジャンヌは間に合わなかった。

「ジャンヌ、失格!」

 試験官がこういうと、ジャンヌもフラフラになりながら試験官と藤枝がいるところにやってきた。二人がそろうと試験官が判定を下した。

 「二人の結果を発表します。藤枝有紀子、第12段階。走行距離2500メートル。ジャンヌ、第13段階。走行距離2740メートル。以上です」   つづく

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