166話 仏海軍士官学校のプール
第168章
バメバルの体力試験が終わると試験官は言った。
「次は水泳体力試験です。これからプールに行ってもらいます」
藤枝たちは試験官に連れられてプールに行くことになった。プールのある場所は陸上競技用のグランドの東側のすぐそばであった。グランドと海軍士官学校の校舎の真ん中にあった。陸上競技用のグランドから北東方向に士官学校の校舎に向かって道がある。その道を士官学校のほうに向かって少し歩いていくと西方向からの道と合流する所がある。そこにプールがあった。その西方向からの道とは、藤枝たちが健康診断を受けた医務室(infirmerie)の南西方向にある火災訓練所(bâtiment d' entrainement incendie)に通じている道である。
仏海軍士官学校のプールの中は次の様になっていた。長方形の建物の内部のつくりは天井の真ん中が一番高くなっている。そして左右に向かって下に向かって傾斜している。つまり三角形の形をしているということである。その屋根を左右の壁から五角形の形をした補強柱が支えている。この五角形の形であるが横長長方形の形の上に鈍角三角形が乗っているという形である。このような茶色の補強柱が約五メートル間隔で並べられていて白い屋根を支えているという構造である。天井の照明は左右の端、壁に一番近いところに棒状の照明器具が建物の端から端までずらりと並んでつけられている。それと天井の真ん中の一番高いところにも照明器具がつけられている。しかしそれは三十センチくらいの円形の形をしていて、それらが天井を支えている補強柱の間に一つずつつけられている。
プールは25メートルである。四角柱の形をした飛び込み台が六つついている。紅白のコースロープが五つ水面に浮かんでいる。六人が同時に競泳できるわけである。三つ目と四つ目の飛び込み台の間には高さ二メートル以上の飛び込み台が一つある。
飛び込み台があるところの後ろはすぐに壁であるが、それはすべてガラス張りになっている。高さ八メートルくらいで左右の壁まですべてガラス張りである。そして飛び込み台に立って右側の壁もすべて向こう側までガラス張りである。しかし左側の壁もガラス張りではあるが、床から四メートルくらいの高さまでは緑色の普通の壁になっている。その緑色の壁の上側だけがガラス張りになっているという構造である。
これがフランス海軍士官学校のプールのようである。つづく
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