158話 体力試験の現場
第160章
この時試験官がやってきた。
「これから体力試験を行います。最初に腕立て伏せを行います。その次は垂直高跳びです。その次はロープクライミングです。これらはここの体育館で行います。その後は、外にある陸上競技用のグランドに行きます。そこでバメバルを行います。これらの試験がすべて終了したらプールに行きます。そこで水泳試験を行います。体力試験は以上です」
藤枝たちは体育館の試験を行う現場に連れて行かれた。その現場には濃い緑色の黒板が壁につけられていた。教室にある普通の黒板は横長の長方形の形である。しかしここにある黒板は縦長の長方形の形をしていた。そして壁につけられている位置も人の首から高い位置につけられていた。そしてその黒板に向かって左側にロープが天井からぶら下げられていた。そのロープの上のほうを見上げると、天井近くの壁にロープをぶら下げているものがつけられていた。直角三角形の形をしている2メートルくらいの長さの棒のようなものであった。その棒にロープが結び付けられていた。
「ではこれから腕立て伏せを行います。名前を呼ばれたらここで始めてください」
こう試験官は藤枝たちのほうを見て言った。そしてすぐにまた言った。
「ジャンヌ」
「はい」
「では始めてください」
ジャンヌは床に四つん這いになった。そして腰を宙にあげて体を斜め水平にしてそのままの姿勢でしばらくいた。すると両腕を曲げて腕立て伏せを始めた。一回、二回、三回……ジャンヌは順調にこなしていった。十三回も軽くこなしていった。17歳女子の平均は十二・一回だそうである。そしてついに二十回も超えることができた。しかしこれからが大変であった。さすがに疲労が出てきたようだった。スピードも次第に遅くなってきた。二十五回を超えると連続して行うことができなくなってしまった。一回ごと行うのが必死になってしまった。二十八回、二十九回。三十回目、腕を曲げて体をゆっくりとおろしていった。体が床につきそうなところでしばらくじっとしていた。しかし思い切り腕を伸ばして何とか体を持ち上げることができた。ここでジャンヌは腕で体を持ち上げたままじっとしていた。三十一回目、体をおろしていった。床すれすれのところでしばらくじっとしていた。そして思い切り腕を伸ばして体を持ち上げていった。しかしついに完全に持ち上げることができず床に落ちてしまった。
「ジャンヌ、30回」
試験官がこう判定した。
フランス海軍の女子の腕立て伏せの基準は最高32回だそうである(Barème féminin:32 pompes max) しかしこの基準は今年の2022年6月21日から適用されるようである(Barème applicable depuis le 21 juin 2022) つづく
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