148話 最後の試験日朝
第150章
「起きなさい、ユキコ」
「……」
「今日が最後の試験だよ」
「うーん、あ、ヴェロニク」
「なに?」
「ジャンヌか」
「これから体力試験だよ」
「そうだった、今日が最後の試験でしたね」
「そういうこと。午前中は体力試験。そして午後は面接試験。準備はできている?」
「夢の中で試験対策してきました」
「どういうこと」
「まずは体力試験対策です。水泳教室の後、スポーツジムにも入ったんです。そこでこれからやる体力試験の練習をしてきました。そしてその次の面接試験対策もしてきました」
「では今日も一日うまくやっていけるね」
「何とかできるかもしれません」
「だったら合格できるね」
「そうだといいのですが」
「午前中の体力試験、腕立て伏せ、垂直高跳び、ロープクライミング、バメバル、そして水泳だね」
「そうですね。一応これらの試験すべて対策してきました」
「どんなふうに」
「腕立て伏せは26回出来るように練習してきました。最初はできませんでしたがいろいろやり方のコツを教えてもらいました」
「じゃあだいじょうぶだ」
「しかしまだ夢の中でもできたわけではありません。できるようになるまではまだ何回か夢を見る必要があると思います」
「もうそんな暇はないよ。これからすぐに始まるのだから」
「そうですね。あ、そうだ」
「なに」
「今ここで少しその練習してみます」
「そう、じゃあやってみて」
そこで藤枝は床の上で腕立て伏せの練習を始めた。彼女は体をまっすぐにして肘を伸ばした状態で体を支え始めた。
「そういい姿勢だね。はいそのまま体を下ろしていって」
ジャンヌの掛け声に従って藤枝は体を下ろしていった。床近くまで胸を下ろしてしばらくそのままじっとしていた。
「はい、では今度は体を上の方向に持ち上げて」
藤枝は曲げた肘を少しずつまっすぐにして体を上に持ち上げていった。
「そうそうその調子だよ、ではそれをもう一度続けて」
藤枝はこのようにして腕立て伏せを何回か繰り返した。 つづく
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