147話 知らなかった人を知る
第149章
「私たちは今まで知らなかった人に会った時どういう人なのかとても気になります」
講師はさっそく講義を始めた。
「これから一緒にやっていこうという人ですからです。一緒にうまくやっていけるだろうか、こういうことを知るのがとても大切です。そのためにあるのが面接です。直接その人に会って色々質問をすることによってどういう人なのかを知るわけです。その人がどういう人かわかれば後は簡単です。自分たちのところに迎え入れるかどうか決めるだけですから。一緒にやっていけそうな人だなと思えば迎え入れることができるわけです」
藤枝はますます眠くなってきて顔を机にぶつけそうにもなってしまった。
「面接のやり方ですが、一人の相手にいろいろな質問をして、その答えの内容、答えの仕方などを注意深く評価するわけです。そこで皆さんが面接を受けるときは、面接者の聞いてきた質問内容を正しく理解することがまず一番重要なことです。意味を間違えて受け止めてしまったりしてはいけません。相手の質問をしっかりと聞くことです。それから答えの仕方もとても大切です。正確な言葉で答える。適度なポーズを置く。話すスピードも妥当な速さで。声の大きさも大きすぎもせず小さすぎもせず」
藤枝は懸命に眠気を我慢していた。
「そのほかの面接として集団面接があります。これはできるだけその人を客観的に判断するために行う面接です。個人面接の場合、過大評価過小評価される場合があります。その人の長所を高く評価しすぎたり、その逆にその人の欠点を低く評価しすぎたりです。私たちはみんな長所と欠点の両方を持っています。これらの長所と欠点をできるだけ公平に評価するためにほかの人たちと比較して評価するわけです。そうすればその人の長所も他の人に比べればたいしたことがないとわかったり、逆にその人の欠点も他の人に比べればたいしたことがないとわかったりするわけです」
藤枝はついに顔を机の上に落してしまいそのまま寝てしまった。 つづく
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