146話 最後の試験対策
第148章
藤枝は歩道を飛ぶように歩いていた。するとまたいつも行く書店の前を通りかかった。すると彼女はランベオックの海軍基地での3日目の試験で体力試験が終わった後の最終面接試験のことを思い出した。体力試験の対策は水泳教室とスポーツジムで一応はしてきたのであった。しかしこの最終面接試験の対策をするのを忘れていた。一番偉い人たちによる面接である。初期パイロット養成校の最高司令官(commandant del'EIP 50S)の面接である。もちろんこの面接試験に合格できても、今度はフランスの南東端、マルセイユの東、モナコの西のトゥーロンにある航空医学センター(CEMPN)での航空身体検査がある。そこでは身体検査だけではなく飛行機の操縦のシュミレーション室で飛行機の操縦をしながら計算問題を解いたりする試験まであるようだ。しかも今度は一週間も泊りがけでの試験である。このようにまだまだ先が長い試験である。とは言ってもこの最終面接試験になんとか合格しなくてはどうすることもできない。だからやはり試験対策をしておかなくてはいけないのであった。
そこで彼女は書店の中に入り、面接試験対策に参考になりそうな本を探し始めた。しかしどれを買っていいのかわからなかった。そこで書店の人に尋ねることにした。
「すいません」
「はい」
「面接試験の対策に役立つような本はあるでしょうか」
「そうですねこれなどがいいかもしれません」
藤枝は教えてもらった本を手にして中をざあと読み通してみた。
「ではこれをください」
「ありがとうございます。あのもしよければここの上の階にある会議室で面接試験対策セミナーがこれから開かれます。参加してみませんか」
「ああ、この上の階ですね。わかりました。では行ってみます」
彼女は本を買うとさっそく上の階に行った。そこにある会議室には面接試験対策セミナーという張り紙がされていた。彼女はその部屋の入り口にいる受付に受講を申し込んだ。部屋の中に入り椅子に座ると、急に眠くなってきた。しかし懸命に眠らないようにしていた。そして机の上にさっき買ったばかりの本を置き中を開けて読んでいた。すると間もなくして講師が部屋の中に入ってきた。
「皆さんこんばんは。これから面接試験対策セミナーを開かさせていただきたいと思います」
彼女は今まで読んでいた本を閉じて講師のほうを見た。 つづく
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