140話 シャンソン教室見学
第142章
藤枝が教室の中に入ると講師が藤枝に向かって言った。
「いらっしゃいませ。今、ヴェロニクジャノの『飛行士』の練習をしているところです。一緒に練習していきましょう」
「私はただ見学だけですけれど」
「これから一緒にここにいればあなたもきっと練習したくなりますよ」
「そうでしょうか」
「そうです。あなたは今までフランスの曲を聴いたりしたことがありますか」
「いいえ、ありません」
「でしたらこれから聴きたくなりますよ」
「そうでしょうか」
「そうです」
こうして講師は曲の説明をまた始めた。
「この『飛行士』という曲ですが、ユーチューブ動画にはいくつかのバージョンがあるようです。(clip officiel) (Lyrics)(Version longue)などです。この中で(Lyrics)が一番いいと思います。フランス語の字幕がついているからです。ほかのバージョンにはフランス語の字幕がついていないからです。ですから私たちのようにこの曲を歌いたい人にとってはフランス語の字幕がついている Véronique Jannot-Aviateur(Lyrics) ほうがいいと思います。字幕を見ながら歌っていけばいいからです。では新しい方が来られたのでもう一度最初から『飛行士』の動画を見ていきましょう」
講師はこう言うとパソコンの画面を操作した。すると『飛行士』の曲の動画が始まった。動画が始まり、パソコン画面に歌手のヴェロニクジャノが登場すると藤枝は驚いて言った。
「ジャンヌ!」
すると講師が藤枝に尋ねた。
「ジャンヌさんってお知り合いの方ですか」
「はい。彼女、ジャンヌという名前なんですが、この歌手のヴェロニクジャノにそっくりです。彼女は髪の毛が銀髪なため、もしこのヴェロニクジャノが髪の毛を銀色に染めたりしたら区別ができなくなってしまうほどです」
「そうですか。ではお知り合いのフランス人女性からまるで曲を習うみたいで、早く上達できますよ」
「そうかもしれませんね」 つづく
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